FOMCはノーヒント、ヘッドライン相場振り返りと今週の見通し
-先週サマリー-
先週のドル円は133.62円でスタート。13日(月)は、先々週に破たんしたシリコンバレー銀行の預金者保護が伝わり135円まで上昇も、世界的に銀行株が売られたことで132.20円まで下落しました。14日(火)にかけて135円まで反発していたドル円は、15日(水)にクレディスイス筆頭株主(サウジ・ナショナル・バンク)が追加増資を否定したことで132.30円へ下落も、16(木)にはスイス中銀によるクレディスイスへの支援、米中堅銀行ファースト・リパブリックへの支援が相次いで伝わり133.70円へ反発しました。17(金)は、FRBが13日からの資金供給制度の利用額が過去最大になったと判明、銀行株が週末にかけて再び売られたことを受け、ドル円は131.56円まで安値更新して取引を終えました。
-FOMCはノーヒント、ヘッドライン相場振り返りと今週の見通し-
本日のイベントは、日BOJ主な意見公表、独PPI、ラガルドECB総裁発言が予定されています。
金融システムに関わるヘッドラインに敏感な相場が続いています。これまでのメインテーマだった「インフレ抑制」から「金融不安」へ、市場の関心がシフトした2週間だったと言えるでしょう。
本日未明にはスイス中銀が事実上仲介する形で、UBSがクレディスイスと買収合意との報道が伝わり、目先のシステミックリスク懸念は一旦後退する可能性はありそうですが、引き続き金融システムに関わるヘッドラインに敏感な相場が続くことが想定されます。併せて、今週はFOMCをはじめ、英国やスイスでも金融政策会合が予定されています。これまでのメインテーマだった「インフレ抑制」のために、この1年間強の期間、各国中銀は利上げやバランスシート政策(QE・QT)の調整を行ってきました。しかし、金融システムの安定を優先するために、金融引締めスタンスを変える可能性もあります。先週ECBは、インフレ抑制を優先する形で0.5%利上げを決定しましたが、FRBなども引締めを続けていくかどうか、市場予想は割れています。
FOMC前の2週間はブラックアウト期間と呼ばれ、FRB当局者らが公の場で発言するのを控える期間となっています。米シリコンバレー銀行破たんをきっかけとした金融システムの不安は、このブラックアウト期間に明らかになりました。つまり、今週のFOMCは「ノーヒント」で迎えることになると言えるかもしれません。
今週は、大きな値動きが続くヘッドライン相場が続く前提で取引に挑みたいです。