FXレポート

来週のFOMCもインフレ抑制優先の0.25%利上げか

-前営業日サマリー-
 ドル円は133.42円でオープン。東京市場では、欧米の金融システム不安からドル売りが先行も、クレディ・スイスがスイス中央銀行から最大500億スイスフランの借り入れを行うと表明すると、133.49円付近まで巻き戻しました。ロンドン・NY市場では、米金利の下落に伴ってドル売り圧力が増し一時131.73円を付けましたが、「複数の銀行が米地銀ファースト・リパブリックに約300億ドルを支援する」との報道が伝わると、米株式市場の上昇と米金利の反発で一時133.83円まで上昇しました。その後「スイス政府が模索しているUBSとクレディ・スイスの統合案に両行が反対している」との報道が流れるとドル買いは一服し、133.75円で取引を終えました。

-来週のFOMCもインフレ抑制優先の0.25%利上げか-
 本日のイベントは、EU消費者物価指数(改定値)、米鉱工業生産、米景気先行指標総合指数、米ミシガン大消費者態度指数が予定されています。
 昨日、ECBは3会合連続の0.5%利上げを決めました。クレディ・スイスの経営不安の高まりを受けて、市場では利上げペースの減速観測が高まっていたものの、ECBはインフレ抑制を優先した形となりました。シリコンバレー銀行の経営破綻以降、主要中銀として初めての政策決定だっただけに来週の米FOMCでもインフレ抑制優先の声が高まる可能性が考えられますが、一部報道では、ECB当局者は政策金利発表まで最新情報の収集に奔走し、クレディ・スイスがスイス中央銀行からの借り入れという選択肢を手にしたことで市場の混乱が落ち着いたと判断したうえで0.5%利上げの決定に踏み切ったと報じられており、今後の欧米情勢次第では、米国が金融システムの安定を優先するシナリオも十分に想定されます。
 本日は、米景気先行指数と米ミシガン大消費者態度指数が控えており、米国の最新景気動向が分かります。景気先行指数の予測値は-0.2、ミシガン大消費者態度指数の予測値は67.0となっており、予想を上回る結果となれば、米FOMCでの0.25%利上げの可能性が押し上げられ、日米金利差拡大からドル買いが想定されます。しかし前述した通り、経営不安が予想だにしない形で他の金融機関に波及するなど新たな問題が出てくる可能性も十分に考えられます。土日に状況が大きく変わることも想定して、本日は取引に挑みたいです。

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