所信聴取通過で円売りも、ドル円高値更新に向け視界良好か
-前営業日サマリー-
ドル円は134.69円でオープン。東京市場では、午前に注目の植田日銀総裁候補の衆院・所信聴取が行われ一時クロス円は上下に不安定な値動きとなるも、植田候補から「現在の金融緩和は適切」などハト派的な見解が示されたことで、ドル円は134円割れ目前から134.91円付近まで下値を切り上げました。また、東京午後の日銀副総裁候補2名の所信聴取も為替の反応は限定的、一方で当面の日銀による緩和政策継続への思惑から日経平株価は買い先行で引けにかけても底堅く推移しました。欧州市場では、米長期金利の上昇に伴いドル買い優勢、ドル円は前営業日に更新した年初来高値(135.36円)も抜けて135.80円付近まで上昇し、連れてクロス円も堅調推移が目立ちました。NY市場では、序盤に発表された米個人消費支出(PCEデフレーター)が総じて予想上振れとなったことで米長期金利上昇とドル買いが加速、ドル円は再び節目を突破し136円台に乗せました。その後も強い米指標結果が確認され、週末ながらもドル強含みの流れは変わらず、136.51円まで高値を更新し136.44円で引けました。
-所信聴取通過で円売りも、ドル円高値更新に向け視界良好か-
本日のイベントは、日植田日銀総裁候補の所信聴取(参院議院運営委員会)、欧経済信頼感、米耐久財受注/中古住宅販売保留/ジェファーソンFRB理事発言が予定されています。
先週末、円相場を左右するビックイベントであった衆院での植田日銀総裁候補の所信聴取では、今後先々の政策修正の可能性には含みを残しながらも、現行の緩和路線踏襲を想起される発言が目立ち、市場における政策修正や円高への警戒感は一旦は緩和の局面といえます。他方、米FRBがインフレ指標として重視する1月米個人消費支出・PCEデフレーターが予想を上回る伸びとなったことで、米利上げ継続・引き締め長期化観測を背景にしたドル高の流れが顕著になっています。これらのパワーバランスの差がドル円の高値更新に繋がっていると考えられることから、目先ドル円は比較的動きやすくかつドル買いバイアス優勢の展開は想定しておきたいです。
そして週明け早々、本日午後に植田総裁候補、28日午前には氷見野・内田副総裁候補2名の参院での所信聴取が予定されています。引き続きヘッドラインには気を配りたいですが、波乱なく無難な通過となれば、更に円安地合いに拍車がかかる可能性も考慮しておくべきでしょう。加えて、ここのところ強い結果が続く米指標を確認し、一段のドル高燃料となるか見極める必要もありますが、今週でいうと来月1日のISM製造業景況指数、3日のISM製造業景況指数などに照準を合わせたいです。米国経済の強さを裏付ける内容となればドル円は高値更新継続も想定、乗り遅れないよう押し目を拾うスタンスなども選択肢に含め週のトレード戦略を練っていきたいです。