波乱続きのドル円 本日は米CPIに注目
-前日サマリー-
ドル円は131.34円でオープン。先週末は日銀人事をめぐる報道で相場が混乱するも、新総裁と目される植田氏が継続的な緩和政策の必要性を示したことが円売りにつながり、週明けの東京市場でも132.30円まで円安が進行しました。ロンドン市場でも流れは続き、節目となる132円付近を足固めとしながら132.77円まで上値を伸ばしました。ただ、NY時間に入ると133円を前にドル高が一服し、円買いの流れから132.38円で取引を終えました。
-波乱続きのドル円 本日は米CPIに注目-
本日のイベントは日第4四半期GDP、日次期日銀総裁人事案の国会提示、英失業率、米消費者物価指数、米ダラス連銀総裁発言、米フィラデルフィア連銀総裁発言、米NY連銀総裁発言が予定されています。
米国による1月の雇用統計が発表されて以降、FOMCメンバーによるタカ派な発言が相次いだこともあり早期の利上げ停止期待は大きく後退しています。ただ、パウエルFRB議長は「次回の金融政策については会合までのデータ次第」と述べていることから、雇用統計と同様に政策金利動向に与える影響が大きい本日発表の米消費者物価指数(CPI)の結果には注目が集まります。
米CPIは伸びのピークとなった昨年6月を境に6か月連続の鈍化となっています。今回も前回値+6.5%から+6.2%へと概ね伸び鈍化の予想となっており、引き続き米国のインレピークアウトが確認されるとの見方が優勢です。結果が予想を下回るようなら初動はドル売りとなりそうですが、市場での見方が鈍化予想に傾いている分、幾分でも予想超えとなった場合は利上げ停止期待も後退しながらドル高のインパクトは大きくなりそうです。そのため、予想上振れの余地も検討する必要がありそうです。警戒すべき点としては米国の中古車価格の上昇です。自動車オークションなどを手掛ける米企業の調査によると1月の米中古車平均価格は前月比で+2.5%と反発しています。中古車価格はCPI全体の3.6%、コア指数の4.6%と大きな項目となるだけに米CPIの予想上振れ要因となりうる要素として警戒が必要かもしれもせん。米CPIは雇用の最大化と物価の安定というFRBの二大命題の下、政策金利動向に与える影響が非常に大きいことからも、今後の金利見通しとドル円の方向感を占う上で見逃せない重要イベントとなりそうです。