今週は米インフレ指標に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は149.28円でオープン。東京市場では植田日銀総裁が衆院予算委員会で「マイナス金利を解除しても緩和的な金融環境は当面続く」と発言したものの、市場の反応は限定的。相場も大きく動意付く展開とはなりませんでした。ロンドン市場でも落ち着いた値動きが続き149円中盤を挟んでのレンジ相場。NY市場では12月米消費者物価指数の下方修正を受けて、米長期金利が急低下。ドル円は一時149円付近まで下押しするも、切り返しが早く149.25円まで戻して取引を終えました。
-今週は米インフレ指標に注目-
本日のイベントは、英ベイリーBOE総裁発言が控えているものの、その他注目度の高い経済指標は予定されておらず、日本、中国、香港、シンガポールなどアジア圏で各国が休場となります。
パウエルFRB議長が5月以降の利下げを示唆したほか、内田日銀総裁が緩和策継続の意向を示したことなど、アップサイドへの材料が豊富なこともあり、ドル円は149円台を回復。そんな中で今週は米CPIやミシガン大消費者信頼感指数などインフレ指標の発表が多く控えています。今週はこれらの結果を確認して利下げ開始時期を探っていく展開となりそうです。
米CPIの予想は前年比で2.9%と12月の3.4%からは伸び率が鈍化、コアCPIにおいても3.7%と12月の3.9%から鈍化することが見込まれています。FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数の12月データは前年比2.6%まで低下していたものの、パウエル FRB 議長は「インフレ鈍化に確信が持てない」として 3 月 FOMC での利下げ開始に否定的な見方を示しました。CPIの結果が予想通りであれば3月の金利水準は据え置きとなりそうだが、仮に大幅に予想を下回ることとなれば改めて利下げ開始観測が高まることとなり、ドル円も下向きの相場展開となるかもしれません。方向感に変化をもたらしえるイベントとみて内容を丁寧に確認する必要がありそうです。