米PCEデフレーターでインフレ鈍化を再確認できるか
-前営業日サマリー-
ドル円は129.57円でオープン。東京市場では、前日のドル安の流れが継続し上値が重く129.02円まで下落しました。ロンドン市場では米長期金利の上昇によりドル買いが進む中、米GDPや耐久財受注額が予想を上回ったことでドルの一段高となり130.26円まで上昇しました。NY市場では、ドル高の流れが継続し130.61円まで上昇するも、反落し130.20円で取引を終えました。
-米PCEデフレーターでもインフレ鈍化を確認できるか-
本日のイベントは、ANZ企業景況感、豪生産者物価指数、米PCEデフレーター、米中古住宅販売保留、米ミシガン大消費者信頼感指数が予定されている他、中国が休場です。
昨日は米GDPが予想を上回る+2.9%の成長と、急速な利上げを行ってきた中でも堅調な米経済状況が確認できました。しかしながら、先行きの景気後退懸念はなお強く、ソフトランディングとインフレ動向、FFレートの見通しが引き続き焦点になりそうです。
本日はFRBが重要視しているとされるPCEデフレーターが公表されます。市場予想はPCE+5.0%、PCEコア+4.4%であり共に前回値から鈍化する見通しです。今月公表されたCPI、PPI共に鈍化していることからPCEも鈍化する見通しが妥当であるなかで、逆にインフレ再燃が確認された場合はインパクトが大きいことから、急激なドル高に振れる可能性を考慮しておきたいです。一方で、予想通りもしくは予想以上の鈍化で、利上げ減速の正当化や年内利下げの織り込みが加速する場合はドル売りが優勢になると想定されます。いずれにしても、大きく動くことが想定されるためリスク管理に注意しつつ取引に臨みたいです。