欧米PMIに注目 ドル円トレンドの方向性
-前営業日サマリー-
ドル円は129.53円でオープン。東京市場では、朝方にドル売りが先行して129.45円まで下押しするも、午後からは先週の金融政策決定会合で拡充が決まった共通担保資金供給オペについて5年物1兆円の実施が通告され、日長期金利の低下と共に円売りが加速、130円台を回復しました。ロンドン市場でも堅調な欧州株式の動向を支えとしながら東京午後の流れを引き継いで130円中盤まで上昇。続くNY市場でも米長期金利の上昇を眺めながら底堅い推移が続くと、そのまま130.66円で取引を終えました。
-欧米PMIに注目 ドル円トレンドの方向性-
本日のイベントは、仏PMI、独PMI、欧PMI、英PMI、米PMIが予定されており、中国、シンガポール、香港は春節のため休場となります。
ドル円は米国の利上げ幅縮小と日本のYCC(長短金利操作)の柔軟化から日米金利差の縮小が始まり、昨年10/21日高値(151.94円)と今年1/6日高値(134.77円)との間に引いた上値トレンドラインに沿ってダウンサイドへの動きを広げています。足元では130円中盤を推移しており、ラインの上限付近に位置していることから、このまま、ダウントレンドに沿った値動きが継続するのか、トレンドを否定してアップサイドへの転換をするのか、目の離せない局面にいるといえます。そんな中、本日は欧米のPMI速報値が続けて発表されます。市場では、前回同様にいずれの国も景気後退ラインである50.0を下回ることが予想されているものの、欧PMIは前回(47.8)に対して予測(48.5)、米PMIは前回(46.2)に対して予測(46.8)と、前回値からの回復が見込まれています。予想を下振れる結果となった際には、トレンドの上限ラインが抵抗となりながら、また一段下値を探る展開となりそうですが、米国の結果が想定を大きく上振れするようなものとなればリセッション懸念が後退しドル円もトレンド転換をもたらしながら上値を伸ばすシナリオや欧州のPMIでネガティブサプライズが確認されれば、ユーロ安ドル高から、ドル円も相対的にドルが買われることで上昇を強めるシナリオも想定できます。市場の関心が集まる欧米の景気動向をPMIで占いながらトレンドの方向性を見極めて本日も取引に臨みたいです。