FOMC、2023年末の金利見通し引き上げ
-前営業日サマリー-
ドル円は135.57円でオープン。東京市場では、FOMCの結果公表とパウエル議長の発言を控え、様子見ムードから135.3~135.7円のレンジ相場となりました。ロンドン市場では、「日銀が来年金融政策の見直しを行う可能性が出てきた」との情報が一部メディアから伝わり一時134.54円まで下落するも、その後は再び方向感を欠く動きとなりました。NY市場では、FOMCで金利見通しの2023年末予測中央値が引き上げられた結果、ドル買いが進み一時135.99円まで上昇するもその後反落、135.43円で取引を終えました。
-FOMC、2023年末の金利見通し引き上げ-
本日のイベントは、豪雇用統計、中小売売上高、スイス・英国・EUの政策金利&声明発表、米小売売上高、米NY連銀製造業景気指数、米フィラデルフィア連銀景況指数が予定されています。
昨日、米FRBは予想通り0.5%利上げを決定した一方で、FOMC参加者による2023年末の政策金利見通しの予測中央値は5.1%と9月時点の4.6%から引き上げられました。この見通しに沿えば、2023年5月までに合計0.75%の更なる利上げが想定されます。またパウエル議長が「インフレが2%に向かうとの確信が持てるまで利下げはない」とタカ派寄りの発言をしたところをみると、2023年中に利下げに転じる可能性は低く、日米金利差も暫く開いたままの状態が続きそうです。
本日は英国とEUの政策金利発表が控えており、昨日のFOMCに続きヨーロッパ全体の今後を占う1日となります。市場予想は英国、EU共に0.5%利上げとなっており、米FRBに追随して利上げペースを落とすとの見方が大勢となっています。昨日発表された英11月CPIは前年比+10.7%と前月の+11.1%から少し鈍化し、市場予想を後押しする結果となりました。とはいえ、英国、EU双方はまだ米国ほどはっきりとインフレの鈍化傾向が表れているわけではなく、各中央銀行当局者はインフレ抑制のためタカ派姿勢を強調する可能性が高いです。その場合、これまでと同様のタカ派発言のみならユーロ・ポンド買いの材料になるとは考えにくく、想定内の利上げによる反発も限定的となりそうです。