FXレポート

インフレ鈍化予想の米CPI、またも波乱はあるか?

-前営業日サマリー-
 ドル円は136.54円でオープン。東京市場では先週末、米PPI後のドル高基調が継続し137円台乗せ、午後も底堅さ保って推移しました。その後、欧州市場に入ると米長期金利の低下を受けて上値の重たい展開となり、一時136.62円付近まで押し戻されました。ただ、NY市場では米長期金利の復調もあって再度ドル買いへ、目立った材料がないながらも上昇一辺倒に推移し137.84円まで日通し高値を更新したのち、137.63円で取引を終えました。

-インフレ鈍化予想の米CPI、またも波乱はあるか?-
 本日のイベントは、英失業率/BOE金融安定報告書公表/ベイリーBOE総裁発言、独ZEW景況感調査、米消費者物価指数(CPI)/30年債入札が予定されています。
 本日の米CPIから明日には12月FOMCと、年内最後の見逃せないヤマ場を迎えます。前回11月発表の米CPIは総じて予想下振れ、想定以上のインフレ鈍化が示されたことで大きくドル売りで反応しました。ドル円は米長期金利の低下と共に発表週の引けにかけて、およそ8円程度の下落幅をみせる「逆CPIショック」となりました。本日の米CPIでも前月から概ね伸び鈍化の予想、引き続き米国のインレピークアウトが確認されるとの見方が現時点では優勢です。前回同様に予想を下回るようなら当然に初動はドル売りとなりそうですが、本命のFOMCが翌日に控えていることを踏まえれば積極的にドルを売り込む流れにはなりにくく、ドル円の切り返しは早いかもしれません。むしろ市場における前回イメージからの下振れ警戒感もあって鈍化予想に傾いている分、幾分でも予想超えとなった場合のドル高インパクトは大きいと考えられそうです。そうなると予想上振れの余地も検討する必要がありますが、先週9日の物価指標前哨戦、米生産者物価指数(PPI)も上振れは1つの判断材料となるほか、CPIについてもコアCPIの伸び率がとりわけ注目ポイントとなります。CPI全体の8割弱を構成するコア項目では、サービス部門の比率は6割弱を占めており、その中で最も寄与度の大きい「住宅」が高水準を維持している点がインフレ高止まりの一因となっています。直近パウエルFRB議長も、この住宅サービスのインフレ率は転換点付近で、その他の物価に遅れる傾向がある旨の見方を示しているため、市場が想定する鈍化ペースより上振れる可能性は十分に想定できるといえます。その場合は米PPI以上に感度良くドル円急伸となるか、深追いには注意が必要ですが跳ねたところはついていきたいです。年末までのドル円の方向感が固まる重要局面、本日から目が離せない相場展開が続きます。

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