FOMC議事録公表 議論内容に注目
-前日サマリー-
ドル円は142.09円でオープン。序盤は前日NY時間の流れを引き継いで142円台で底堅く推移、その後は調整の動きが目立ちドル売り優勢の地合いで141.60円まで下落しました。ただ、東京午後にかけては買い戻しが入り、142円台に乗せて欧州勢参入を迎えました。ロンドン市場では再度ドル売りの流れに傾き、米長期金利の低下も加わり一時141.08円まで下値を広げました。NY市場では141円の節目がサポートとなり底堅く推移し、141.19円で取引を終えました。
-FOMC議事録公表 議論内容に注目-
本日のイベントは、NZ政策金利、仏独欧英PMI、米新規失業保険申請件数/耐久財受注/PMI/新築住宅販売件数//FOMC議事録公表(11月開催分)が予定されており、日本が祝日休場となります。
足元のドル円相場は、今月10日の米消費者物価指数によって大きく下落した後、ここ1か月では最も小幅な3円程度のレンジで推移しました。ただ、FOMCメンバーからのタカ派的な発言が確認される中で米長期金利が持ち直す動きに、ドル円は今週に入り11日ぶりに一時142円を回復し、先週までの抵抗帯となっていた141円の水準が今度はサポートに代わり一定の底堅さをみせています。
こうした中で、本日はFOMC議事録(11月開催分)が公表されます。11月のFOMCではパウエルFRB議長は「利上げ減速の時期は早ければ次回会合となる可能性がある」と発言した一方で、「ターミナルレート(利上げ終着点)は9月に示した到達点よりも高い水準に達する可能性がある」と言及しました。内容としてはタカ派・ハト派のバランスをとった格好ですが、近づく利上げ幅縮小を前に、今回公表される議事録では、これまで足並みをそろえてタカ派スタンスだったものが、一部バラつきのある内容になるかもしれません。もしハト派的な内容が多い場合、米長期金利の低下からドル安を促す展開も想定されるため、FOMCメンバーがどのような議論をしたのか注目されます。また、FRBはこの先、利上げ効果を確認しながら利上げペースを緩めていくことになりますが、仮にターミナルレートが引きあがるとなれば、利上げが想定以上に長期化する可能性があります。足元では米景気は冷え込みが始まり米経済指標の弱さが表れ始めた中、物価だけでなく利上げによる景気・雇用にあらわれる度合いを見極める必要がありそうです。
そして本日は米景気動向を確認する上で、米PMIの結果にも注目です。サービス業は分岐点の50を下回っているものの、予想は48と10月に発表された47.8からはやや持ち直しが見込まれています。対して、製造業PMIは前回の50.4から悪化の50が予想されており、50の分岐点を維持できるかが焦点となりそうです。このほか、翌日は米国休場のため、ドル円はポジション調整の動きが活発になる可能性も考慮して本日も取引に臨みたいです。