ドル円急落、米CPIサプライズ
-前日サマリー-
ドル円は146.49円でオープン。東京市場では、米CPIを控えて積極的な値動きは見られず、146.06円から146.46円のレンジ相場となりました。ロンドン市場では、米CPIを控えたポジション調整でユーロ売りが目立ち、ユーロ円は146.73円から145.37円まで下落しました。ニューヨーク市場では、米CPIが予想下振れしてインフレ鈍化が確認されたことで大きくドルが売られる展開、ドル円は146.10円から141.47円へ急落、引けにかけても142円から140.21円へ一時急落して取引を終えました。
-ドル円急落、米CPIサプライズ-
本日のイベントは、日国内企業物価指数、英GDP、スイス・ジョーダンSNB総裁発言、米ミシガン大消費者信頼感指数が予定され、米国・カナダが祝日となります。
昨夜発表された米CPI(消費者物価指数)では、事前予想よりも米国のインフレが抑制されていたことが確認されました。
・総合CPI 前年比:+7.7%(予想:+8.0%) 前月比:+0.4%(予想:+0.6%)
・コアCPI 前年比:+6.3%(予想:+6.5%) 前月比:+0.3%(予想:+0.5%)
これを受けて為替市場ではドル円が146円から141円へドル安の動き、株式市場ではNYダウが1100ドル超高、ナスダック指数が約7%高へ、米FRBによる金融引締めを背景に続いてきたドル高・株安トレンドの転換を連想させる反応を見せています。市場が織込む今後のFRB利上げ確率(11日7時時点の金利先物より)を確認すると、12月FOMCの利上げ幅は「0.5%利上げ」をほぼ織り込み、ターミナルレート(利上げ最終地点)は2023年3-5月頃に「4.75~5.00%」まで利上げされるだろうと織り込まれています。ターミナルレートは、先週FOMC直後の織込み具合と比べると約0.25%低い水準です。
今後、米国のインフレが抑制できる状況・景気過熱感が和らぐと連想させる材料が続く場合、2022年の間続いてきたドル高トレンドが本格的に転換するシナリオも想定されます。市場の織込み度合や最新の米国経済指標などを丁寧に確認しながら、本日からも取引に挑みたいです。