米中間選挙の行方は
-前日サマリー-
ドル円は146.94円でオープン。中国がゼロコロナ政策を維持するとの報道が伝わり、対オセアニア通貨主導でドル高が進んだことを支えに147.55円まで上昇しました。ロンドン市場では、ポンドドル主導でドル売りの流れとなったことに加え、米10年債利回りが低下したことから146.08円まで下落しました。その後は米10年債利回りが4.21%台まで回復したことから146.73円まで上昇し、146.65円で取引を終えました。
-米中間選挙の行方は-
本日のイベントは、日銀主な意見公表、ジョーダンSNB総裁の発言、ロウRBA総裁の発言、米中間選挙の投開票が予定されています。
米中間選挙は大統領任期の前半2年間の政策に対する評価と捉えられており、政権与党にとって厳しい結果になる傾向があります。上院は100議席のうち約3分の1(35)議席のみが改選される一方で、下院は全議席が改選されるため、現状の支持率が議席に結び付きやすく、支持率40%台前半で低迷するバイデン政権にとっては厳しい状況が想定されます。実際に世論調査をみると、下院は共和党が多数派を奪還する公算が大きく「ねじれ」が生じる可能性が高いです。その場合、バイデン政権は政権運営をスムーズに行う事が難しくなり、インフレ対策や景気が減速した場合の刺激策が打ちにくくなります。そのため、FRBによる金融政策の影響度が相対的に上昇すると考えられます。米経済指標やFOMCへの感応度がこれまで以上に高まる可能性があるため、中間選挙の結果に注目したいです。一方で、ドル円は10月21日につけた高値151.94円から日銀の介入等で145.11円まで下落しましたが、その後は146.00円から148.80円を大きく上下動を繰り返してます。先週発表された米FOMCで声明文では利上げペースの鈍化が示唆されたものの、パウエルFRB議長はターミナルレートの引き上げを示唆したことで金利動向の先行き不透明感が出てしまい、マーケットがドルの方向感を見失った状態に入りました。そのため、ドルの方向感が出るであろう10日の米消費者物価指数を見極めたい様相を呈しており、短期的ではあるものの結果が出るまでは高値圏安値圏で積極的に逆張りを狙ってみても良いかもしれません。