ドル円、150円が目前に
-前日サマリー-
ドル円は149.02円でオープン。米長期金利の上昇で全般的にドル買いが進みましたが、18時過ぎには149.29円から瞬間的に148.19円まで急降下し、又すぐに149円手前まで戻す場面がありました。瞬間的な下押しが日本政府の介入によるものかは定かではありませんが、市場の一部では覆面介入の憶測も台頭してきています。ロンドン市場、ニューヨーク市場では一時149.38円まで上昇しますが、その後は方向感に欠ける展開が続き、149.23円で取引を終えました。
-ドル円、150円が目前に-
本日のイベントは、英消費者物価指数(CPI)、カナダ消費者物価指数(CPI)、米住宅着工件数が予定されています。
ドル円は、17日最高値の149.08円を上回る149.38円の高値を更新し、いよいよ150円の大台が視野に入ってきました。本邦要人の円安牽制の口先介入も増えてきたことで、日本政府の為替介入がより強く意識され上値の重い場面もありますが、FRBの大幅利上げが続くとの見方が強まる中、日米実質金利差(10年)とドル円の相関性を考えれば、150円に達する余地は十分にありそうです。昨日の最高値149.38円を超えてくるようなら150円を目指す展開になると思われますが、150円は円買い介入が入りやすい切りの良い節目とも取れるので、為替介入による急落を念頭に入れ取引に挑みたいです。
他方、昨日発表された10月NAHB(全米ホームビルダー協会)住宅市場指数は38と、10ヵ月連続の低下となり、2020年の新型コロナのパンデミック初期以来の水準となりました。そして先週発表された9月米消費者物価指数(CPI)を見る限り、わずかながら伸びが減速したものの依然として米国のインフレ圧力は大きく、そのCPIの3割を占める家賃は今も伸びが加速しています。米長期金利、住宅ローン金利の上昇で住宅市場が打撃を受けているにもかかわらず、住宅価格、家賃上昇に歯止めがかからない状況が続いています。本日発表予定の米住宅着工件数の予測値は前月比-7.0%と前回の+12.2%から大幅な下落が見込まれており、結果が予想通り、もしくは予想を下回るようなことがあれば、住宅市場がリセッション入りする証拠と捉えられる可能性は悪材料となり、ドルの上昇を抑制する可能性も考えられます。