政策金利ラッシュ、日銀・BOEなど、FOMC明けて
-前営業日サマリー-
ドル円は143.70円でオープン、日銀が臨時の買いオペを実施したことを材料に円が売られ、144.07円まで上昇しました。15時頃にプーチン大統領が演説で部分的な動員令に署名したと明かし、核兵器使用の可能性も示唆、リスクオフの円買いでドル円は143.35円まで下落しました。深夜3時に向けてはFOMCを控えてドル買いが継続、FOMC政策金利は事前予想通り0.75%利上げの一方で、ドットチャート(ボードメンバーの政策金利見通し)で示された金利見通しが直前の市場織り込み度合より引締め的だったことでドル買いが加速、144.63円まで上昇しました。パウエルFRB議長の会見では、前回会合と同様に将来の利上げペース減速に言及、円が買い戻される形で一時143.46円まで急落した後、ドル円は144円で取引を終えました。
-政策金利ラッシュ、日銀・BOEなど、FOMC明けて-
FOMCに続き世界各国の政策金利発表、中銀の金融政策会合が開催されます。
本日のイベントは、日銀金融政策決定会合(声明・政策金利)、黒田日銀総裁記者会見、スイスSNB政策金利、ノルウェー政策金利、トルコTCMB政策金利、英BOE政策金利、南アフリカSARB政策金利、米経常収支、米新規失業保険申請件数、米景気先行指数の発表が予定されています。
日銀の金融政策決定会合では、金融緩和継続の決定がされる見通しです。米FRBをはじめ、ほとんどの国で利上げなどの金融引締めが決定される見通しの中で、日銀だけが真逆の決定を行うと考えられるため、円安に向かうだろうとの予想が大勢と考えられます。
しかし注意しておきたいポイントが2点あります。1点目は、イールドカーブコントロールの修正です。2016年9月に導入されたイールドカーブコントロールでは、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する政策で、10年国債を中心とした長期国債の買入が積極的に行われています。この長期金利の誘導目標については、変動の許容範囲を当初±0.1%、2018年に±0.2%程度、2021年に±0.25%程度と目標の修正を行ってきました。日銀の指値オペの水準はこの「±0.25%」の変動許容範囲に準じた政策と言えます。一部の市場予想では、金融緩和路線は変更しないまでも、この許容範囲について修正されるのではないかといった思惑もあります。
2点目は為替介入についてです。先週、日銀は「レートチェック」と呼ばれる円安けん制を行ったと報じられています。黒田日銀総裁の記者会見では、これまでなかった動きとして質問が出てくるだろうと考えられ、これまでと違った発言が出てくる可能性も考えられます。この2点について、これまでに見られない動きが出てくる場合は、円売り勢の安心感が削がれることも考えられるため、注目したいポイントです。
そのほかの中央銀行の政策金利は、スイス(SNB)は0.75%利上げ(-0.25%から0.5%へ)を行いマイナス金利終了、ノルウェー(ノンゲルゲバンク)は0.5%利上げ(1.75%から2.25%へ)、英国BOEは0.5%利上げ(1.75%から2.25%)とQT(量的引締め政策)の最も強烈な政策「資産売却」の開始、トルコ(TSMB)は13%に据え置き、南アフリカ(SARB)は0.75%利上げ(5.5%から6.25%へ)と、ほとんどの国で金融引締めの予想がされています。激しい値動きが想定されるため、経済指標やヘッドラインに注目しながら、本日も取引に挑みたいです。