9月FOMC大幅利上げ観測拡大、ドル円は140円到達も射程圏内か
-前日サマリー-
ドル円は前週末終値から25銭程度上窓の137.77円でオープン。東京市場では、26日パウエルFRB議長講演からのドル買いの流れを引き継いでスタートすると早々に138円を突破、9月FOMCにおける0.75%大幅利上げ観測の高まりから一時138.99円まで上昇しました。ただ、ロンドン市場ではドル高調整の動きに転じ、英国休場で欧州参加者減で調整が入りやすい地合いもあって、138.26円付近まで押し戻されました。一方で、主要クロス円は堅調な推移を継続、週末ジャクソンホールにおける黒田日銀総裁の「金融緩和を維持する以外ない」発言が材料視され円売りを促しました。NY市場に入ると、米長期金利の上昇に伴い再びドル買い優勢となり138円台に乗せると、その後は高値圏でもみ合いも底堅く138.72円で取引を終えました。
-9月FOMC大幅利上げ観測拡大、ドル円は140円到達も射程圏内か-
本日のイベントは、日失業率/有効求人倍率、独消費者物価指数、米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)/リッチモンド連銀総裁発言/NY連銀総裁発言が予定されており、トルコが休場となります。
まずはジャクソンホール・パウエル米FRB議長講演を消化から週明けのドル高基調に対して、休場明け本格参入となるロンドン市場の受け止め、出方を見極めつつ、米消費者信頼感指数と結果を受けたドル円の方向感に注目したいです。米国では、個人消費が同国GDPのおよそ7割程度を占めており、経済の核ともいえる重要な要素であり、この点、米国経済の先行き等々を見通す上で消費者心理の動向を推し量っていきたい局面になります。足元では、高インフレの影響下で消費心理・マインド悪化から後退傾向が続いていますが、今回の市場コンセンサスは現時点で97.9と改善の予想となっています。
引き続き市場の米指標への注目・感度が高い中で、仮に予想上振れの改善となれば敏感にドル買いで反応するとみています。一方、下振れの場合も普段以上に直後ドル売りで走る可能性は想定されますが、FRBの大幅利上げを織り込む形で米長期金利は3.10%台で高水準、先週末に伝わった黒田総裁の「ハト派」発言などの材料が意識されるとなれば、ドル円は押し目買いを促しやすく反転・底堅く推移するシナリオも考えられそうです。大台140円を射程圏内に捉えるドル円が動意づく展開となるか、注目となります。