ドル円急落は一時的?米耐久財受注に注目
-前日サマリー-
弱い米国経済指標が材料視されて米ドルが大きく売られました。
ドル円は137.45円でスタート。午前中は東京仲値にかけて円買い圧力が強まったことで137.19円まで一時下落、その後はロンドン市場にかけて137.10円から137.60円のレンジ相場が続きました。ニューヨーク市場オープン後は、米PMIがサービス業で44.1と予想(49.2)を大きく下回ったことでドルが急落、直後に発表された米新築住宅販売件数も予想を下回ったことも材料視されてドル円は137.52円から135.82円へ急落、引けにかけては自律反発して136.75円で取引を終えました。
-ドル円急落は一時的?米耐久財受注に注目-
本日のイベントは、南ア消費者物価指数、米耐久財受注、米中古住宅販売保留、米5年債入札が予定されています。
先週から一貫してドル高トレンドが続いていた中で、今週金曜にジャクソンホール会議でパウエルFRB議長がスピーチを行う予定となっていることから、「どこかでポジション調整でドルを売っておきたい」と考えていたプレイヤーが多数いたと考えられます。そんな中、昨夜発表された米PMIなどの弱い米国経済指標は、ドルを売る口実にされた可能性があります。米国経済で今最大の課題とされている「インフレ」を抑えるために、FRBが利上げを行う限り、ドル高トレンドは変わらないだろうという考えも見られるため、昨夜のドル安は一時的だった可能性があります。
しかし、今夜発表される米耐久財受注の結果と為替市場の反応次第では、これまでのドル高トレンドが終わるシナリオも考慮しておきたいです。7月に発表された米GDP(四半期・速報値)では、米国内の民間設備投資の落ち込みが大きく寄与した形で、マイナス成長となりました。今夜発表される米耐久財受注は、この民間設備投資と親和性の高い景気先行指標だと、一般的にみなされています。米耐久財受注の事前予想を確認すると、+0.6%(前月比、前回:+1.9%)と国内設備投資の持ち直しが続くと予想されています。仮に予想を下振れして前月比でマイナスなどの結果となり、為替市場でもドル売りが継続する場合は、米国経済のリセッションが再び嫌気される形で、この数週間続いてきたドル高トレンドが終了するシナリオも考えられます。金曜にジャクソンホール会議を控えるスケジュールですが、米経済指標は丁寧に確認しながら、本日も取引に挑みたいです。