英国のインフレ長期化懸念と年後半リセッション入りへ
-前営業日サマリ-
ドル円は135.29円でオープン。東京市場では、先週末に付けた高値をわずかに更新するも、米10年債利回りの低下や台湾を巡る地政学リスクへの警戒感から上値が重い展開となりました。ロンドン市場では、米10年債利回りが引き続き低下すると朝方に付けた安値を下抜けし、一時134.60まで下押ししました。NY市場では、売りが先行し一時134.35円まで日通し安値を更新するも、徐々に安値が切り上がる展開となり135.01円で取引を終えました。
-英国のインフレ長期化懸念と年後半リセッション入りへ-
本日のイベントは、メキシコ消費者物価指数が予定されていますが、その他目立った指標はなく本日も材料に乏しい一日です。またシンガポール・南アフリカが祝日休場となります。
先週4日に行われたBOE(英中銀)による金融政策委員会(MPC)で27年振り、0.5%の大幅利上げが決定され、他の主要中銀と同様にインフレ抑制を最優先とする姿勢が示されました。インフレ見通しはガス価格の高騰が深刻化する中、6月消費者物価の前年比9.4%上昇から10~12月期には13.3%でピークを付け、2023年終盤まで高止まりすると予測されたことにより高インフレの長期化が懸念されます。ベイリー総裁は記者会見で「インフレ圧力のさらなる持続を示唆する兆候を特に警戒し、必要があれば強力に対応する」と発言しました。よって今後も大幅利上げが行われる可能性があり、ポンド買いの材料となりそうです。
また、同時に発表された金融政策レポートでは、10~12月(第4四半期)から来年末までは景気後退が続く見通しを発表しました。これは金融危機以降で最長の不況となり、深刻な経済見通しはポンド売りの材料として捉えられそうです。買いと売りの材料が入り混じる中、市場はどちらに傾いていくのか、今後の動向に注目しながら取引に臨みたいです。