FXレポート

0.75%利上げがもたらす各国中銀の積極的な利上げ観測

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は135.44円でスタート、調整の売りがやや優勢の展開で早朝に135.59円まで高値を更新した後、米長期金利の低下や日経平均の続落を手がかりに一時134.52円まで弱含みました。ロンドン市場ではイタリア国債利回りの急上昇を受けてECB政策委員会の臨時会合が開かれ、国債利回りの格差拡大を防ぐ措置の検討を表明するとドル円は上値を切り下げ、134.29円まで落ち込みました。NY市場ではマイナスに転じた米国経済指標の結果を受け下落するも持ち直し、FOMCの動向を見極めたいとする様子見姿勢から落ち着いた推移を見せました。そのFOMCでは0.75%利上げの公表からドル円は一時上昇しましたが、その後下落に転じると133.71円で取引を終えました。


-0.75%利上げがもたらす各国の積極的な利上げ観測-
 本日は、NZ第1四半期GDP、豪失業率、スイス政策金利、英BOE政策金利、米新規失業保険申請件数、米フィラデルフィア連銀景況指数の発表が予定されています。
 昨日のFOMCでは市場予想通り0.75%の利上げが決定され日米金利差の拡大が浮き彫りとなりましたが、その後のパウエルFRB議長の発言から「0.75%の利上げが普通になるとは予想しない」との発言から次会合での0.75%利上げ観測が弱まると、ドル円は134円を割り込む展開となりました。目先ではドル円の大きな買い材料が消化されたことで、他国中銀の政策金利展望に関心が高まっています。本日発表予定のスイス国立銀行政策金利では据え置き予想が市場コンセンサスですが、物価上昇の波がスイスにも押し寄せていることから、マイナス金利脱却へ向けた声明の発表を市場は期待しています。スイスが利上げ方向にシフトすれば、日本は引き締めに向かう各国中銀から取り残されるため、円がさらに売られる要因となるかもしれません。
 また、BOE政策金利は0.25%利上げが見込まれていますが、次会合までに0.75%の利上げが実施されると予想されているため0.50%利上げの選択肢も捨てきれません。英国の失業率は48年ぶりの最低値を記録し4月の小売売上高もかなり好調であったため、利上げを正当化するには十分な材料です。しかし、月曜日に発表された月次GDPはマイナス成長であったことから大幅利上げの妨げとなるかもしれません。このほか、米国の0.75%利上げによって豪州の0.50%利上げ観測が高まっており、英中銀においても0.50%利上げが期待されていることからもポンド円は高値168円に向けて再度上昇するかもしれません。本日は各国政策金利の発表とその見通しに注目して取引に挑みたいです。

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