FXレポート

FOMCタカ派メンバー、0.75%利上げ否定で円高なるか

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は130.73円でスタート。戦勝記念日を迎えるロシア動向への警戒から欧州通貨に対するドル買いと、国内実需勢の継続的な円売りが重なり、ドル円は131.17円へ上昇して約20年ぶり高値を更新しました。欧州市場では、米長期金利が時間外で3.20%まで上昇して直近高水準を更新したもののその後は低下基調、日米金利差縮小が意識されて円が買い戻され、ドル円は130.49円まで下落しました。ニューヨーク市場では、FOMCメンバーで比較的タカ派として知られるボスティック・アトランタ連銀総裁が「0.75%利上げ」に消極的との考えが伝わり米長期金利は3.06%まで低下、株安・暗号資産安などのリスクオフムードに対して為替市場は円買いとして反応して、ドル円は一時130.12円まで下落したのち、130.31円で取引を終えました。

-FOMCタカ派メンバー、0.75%利上げ否定で円高なるか-
 本日のイベントは、日ゴトー日、独ZEW景況感調査、米ウィリアムズNY連銀総裁発言、米ウォラーFRB理事発言、米メスター・クリープランド連銀総裁発言が予定されています。
 本日要人発言が予定されている主要FOMCメンバーの政策スタンスは、ウィリアムズNY連銀総裁はややハト派、メスター・クリープランド連銀総裁はタカ派、ウォラーFRB理事はよりタカ派だと、市場では考えられています。昨日はFOMCメンバーの中で比較的タカ派なボスティック・アトランタ連銀総裁が「0.75%利上げ」に消極的と伝わったことも、ドル安・米長期金利低下に影響したと考えられます。
 短期金融市場では、6月FOMCで「0.75%利上げを行う」と織り込んでいる状況のため、タカ派なFOMCメンバーが「0.75%利上げ」を否定すれば、ドル安・米長期金利低下が一段と進むことが考えられます。先週までは「米株安&金利上昇(米国債価格下落)」の株も国債も売られて、マーケットから資金流出する流れとなっていましたが、先日のような「米株安&金利低下」の株は売られるが国債は買われる状況が続くのであれば、マーケットからの資金流出が落ち着くだろう、リスクオン材料が出てくれば株・リスク通貨が買われやすい地合いに戻るだろうと考えられます。
 本日については、FOMCメンバーの中でタカ派な考えを持っているメスター・クリープランド連銀総裁・ウォラーFRB理事から「0.75%利上げ」を否定する発言が出てくるかどうかに注目して、取引に挑みたいです。

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