次のFOMCに向けた動向と露デフォルトリスク
-先週サマリー-
先週のドル円は117.35円でスタート、前週からのドル高基調が継続し、早々に118円へと到達しました。一旦117円台まで戻す調整局面も見られましたが、米FOMCの声明発表を控えて118円台半ばで推移し、0.25%の利上げと年内利上げ回数の大幅な上方修正が伝わると米長期金利が2.2%を上回り、119円台を突破しました。さらに黒田総裁の記者会見では円安を容認するような発言がドル高を後押しし、週末クローズにかけては119.39円の高値をつけました。その後は落ち着いた値動きとなり、119.13円で先週の取引を終えました。
-次のFOMCに向けた動向と露デフォルトリスク-
本日のイベントは、NZ貿易収支、米ボステック・アトランタ連銀総裁の講演、欧ラガルドECB総裁の講演、米パウエルFRB議長の講演が予定されており、また本邦は春分の日のため休場となっております。今週はFRB高官による講演が連日予定されており、5月のFOMCでのバランスシート縮小に関する発言があればマーケットが動意づく可能性があります。FOMCメンバーが現状のインフレに対する警戒を弱めるとは考えにくいため、利上げぺースの加速等のタカ派寄りな姿勢がみられるかにも注目が集まります。またそのような発言が確認されればドル高地合いが継続し、1ドル120円台への到達が意識されそうです。しかし祝日による流動性の低下や市場参加者の減少による120円付近での打ち返し局面も想定できるため、一方的な展開にはなりにくいかもしれません。
またロシアのデフォルト懸念にも考慮する必要があります。先週16日に期限を迎えた1億1700万ドルのドル建て国債の利払いは1日遅れで債務者に届いたことからデフォルトは回避されました。しかし今月のスケジュールでは本日21日と28日に国債の利払い、31日に国債の元利払いが予定されています。21、28日の利払いはルーブルでの支払いが認められているものの、31日の元利払いはドルでの支払いが必要になるためデフォルトリスクが再浮上すると言われており、ウクライナ情勢と併せて目が離せません。次会合のFOMCに向けた要人発言と露・ウクライナのヘッドラインを読み解いて取引に挑みたいです。