FXレポート

ドル円はおよそ5年ぶりの高値118円台を突破、さらなる上昇となるか

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は、117.31円でスタート。先週末に始まった「日米金融政策の方向性の違いによるドル買い・円売り」の流れが継続し朝方のドル円は117.56円まで上昇しました。午後になると、米長期金利が2.04%で高止まりしたこともあり、ドル円は117.88円を頭に伸び悩みましたが、欧州市場に入ると、再びドル買いが進み、2017年1月以来となる118円を突破しました。ニューヨーク市場に入ると米長期金利の上昇が一服したことから、ドル円は一時もみ合いの展開となりましたが、ニューヨーク市場終わりにかけて一時118.21円まで上昇。この日のドル円は最終的に118.15円で取引を終えました。

-ドル円はおよそ5年ぶりの高値118円台を突破、さらなる上昇となるか-
  本日は豪RBA議事録公表、中鉱工業生産/小売売上高/固定資産投資、英失業率、独ZEW景況感調査、加住宅着工件数、米生産者物価指数/NY連銀製造業景気指数が予定されています。
 昨日ロシア・ウクライナの第4回目となる停戦協議がオンライン形式で行われましたが、ウクライナ側の交渉官から「交渉内容について整理するため、交渉を一時停止し、15日に再開する」との報道が伝わりました。これに対し市場では「これは朗報の可能性がある。何か動きがなければ協議を続ける必要はないからだ」との声もあり、停戦期待からユーロ買いが進みました。ユーロドルについてはロシア側から停戦に向けた姿勢が確認できれば、ユーロ買いが加速し、ユーロドルの上昇が考えられるため、その際は先週の高値である1.11ドル付近を視野にいれてエントリーのタイミングを伺いたいです。
 一方、ドル円は先週に引き続き堅調に推移し、昨日はおよそ5年ぶりの高値である118円を突破しました。ウクライナ危機が継続している中ではあるものの、今週の注目イベントである16日のFOMC政策金利発表を前に、金利引き上げ期待から、米長期金利が上昇し、ドル円の買い材料となっていると考えられます。そのため、目先は、リスク回避の円買いの動きに比べて、日米金利格差の拡大を期待したドル買いの動きが強い印象です。本日は米生産者物価指数が予定されており、内容がさらなるインフレ加速を示唆する結果となった場合は、米利上げ期待の後押しとなるため、ドル円は引き続き底堅さを維持すると考えられそうです。

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