FXレポート

材料に事欠かない1週間、ドル一段の押し上げはあるか

-先週サマリー-
 先週のドル円は113.66円でスタート。序盤はロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりなどから米株相場は総じて下落、マーケットは全面的にリスクオフの展開となる中、ドル円は方向感を欠く値動きに終始しました。不透明感漂う中で迎えた注目の米FOMCでしたが、声明文では3月利上げ開始が示唆され、パウエル議長の会見も市場にタカ派的な印象を与える内容でした。米10年債利回りは1.87%台まで上昇するなど急激にドル高が進行、大きく流れが変わりました。週の後半もドル優勢の地合い変わらず、ドル円は節目を回復すると一時115.68円まで上昇、115.21円で取引を終えました。

-材料に事欠かない1週間、ドル一段の押し上げはあるか-
 本日のイベントは、日鉱工業生産、欧第4四半期GDP、メキシコ第4四半期GDP、独消費者物価指数(CPI)、米シカゴ購買部協会景気指数が予定されています。
 先週のFOMCを振り返ると、大方の予想に沿った内容ではあったものの次回3月FOMCでの利上げを事実上宣言、また、パウエル議長は会合ごとの利上げや1回0.50%の利上げ幅の可能性を否定せず含みを持たせました。これらをタカ派的とみて市場では株安・長期金利上昇からドル買いが進みましたが、米10年債利回りは1.87%付近から週末にはFOMC直前の水準まで低下、対して米主要株価3指数は揃って反発と総じてマーケットのボラが大きい週となりました。FF金利先物市場にて年内5回近くの利上げが織り込まれている点などを踏まえれば、米ドルの底堅さは揺るがないとみていますが、当面は利上げや金融引き締めのペースなどについて、市場の思惑が変化しやすい展開が続きそうです。加えて、今週は米ISM製造業/非製造業景気指数や米雇用統計ら注目指標が控えています。物価上昇や景況感、雇用関連の改善が確認されれば、FOMC毎会合での利上げ可能性が高まり、ドルを一段押し上げる展開も想定されそうです。

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