G20を控えて高まる介入警戒感に注意
-前営業日サマリー-
ドル円は154.24円でオープン。東京市場では、序盤に鈴木財務相の「G20で為替を明示的に取り上げた議題は設定されていない」といった発言も受け、やや上昇して概ね154.30円台での推移となりました。ロンドン市場ではジェファーソンFRB副議長の「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、より長期間の高金利維持が正当化される」などの発言を受けて一時154.76円の日通し高値まで上昇するも、155円を目前に失速して一時153.88円と日通し安値を更新しました。NY市場では何度か154.80円台にチャレンジするも届かず、概ね154円台後半から154.75円の往来となり154.69円で取引を終えました。
-G20を控えて高まる介入警戒感に注意-
本日のイベントは、英消費者物価指数、英ベイリーBOE総裁発言、米ベージュブック、米メスター:クリーブランド連銀総裁発言が予定されています。
17・18日(現地時間)に米ワシントンでG20が開催されますが、足元でドル円が依然として高値圏で推移していることから、市場の本邦通貨当局に対する介入警戒感がより高まる可能性に注意しておきたいです。その背景として、4/12に鈴木財務相から「G20でドル高について議論あり得る」という発言があったことや、2022年秋に本邦通貨当局により実施された3度の円買いドル売りの実弾介入で、1度目と2度目の介入の間にG20が開催されていたことがあります。今回も、G20前後の実弾介入があった場合、G20は介入についての説明の場もしくはお伺いを立てる場となるのではとも見られています。
また、米ドル関連では今週後半に目立った経済指標が見当たらないため、米ベージュブック(地区連銀経済報告)も確認しておきたいです。ベージュブックはFOMCにおける判断材料として用いられるため、前回ベージュブックで弱気の内容があった雇用や物価の項目などで文言が強めに修正されれば、次回FOMCにおいてのタカ派姿勢や利下げ時期が遠のくとの予測を確認することになりそうです。
ドル円は昨日NY序盤、155円台が目前に迫ると一時154円台前半まで下げる場面がありました。155円手前の高値圏で推移している状況では、日銀介入関連のヘッドラインに市場がより大きく反応する可能性もリスクシナシオとして考慮しながら、本日も取引に挑みたいです。