市場動向に警戒、週末の高ボラティリティは持ち越されるか
-前営業日サマリー-
東京市場では、地政学リスクの高まり・日本株大幅下落を背景に、リスクオフの円買いが集まり一時150.80円まで下落、その後はショートカバーとドル買いの流れが優勢で151.30円まで反発しました。ロンドン市場では、米雇用統計を控えて値動きは限定的でした。NY市場では、米雇用統計の市場予想上振れを受けドル買いの流れに、一時151.75円の高値を付けましたがその後失速、151.61円で取引を終えました。
-市場動向に警戒、週末の高ボラティリティは持ち越されるか-
本日は特に大きな指標やイベントは予定されておらず、主要国の市場は通常通り開場します。また、週半ばからは米・中・独の消費者物価指数、米生産者物価指数、米ミシガン大学消費者信頼感指数などの重要指標が控えています。
先週前半は狭い幅でのレンジ相場となりましたが、先週末にイスラエルがシリアのイラン大使館周辺を空爆したニュースが流れると、原油高からの株価下落、リスクオフの円買いへ、そして米雇用統計が市場予想から乖離した事で大きなボラティリティを生み出し週末を終えました。欧州ではエネルギー資源価格暴騰の懸念や、欧州勢のインフレ指標が強い結果を受けている事から、ECBの利下げ観測は後退し、ユーロ高圧力が加わる可能性が考えられます。また、週半ばに発表される米CPIの結果次第でドル円は152円を突破するかもしれません。鈴木財務相をはじめ、植田日銀総裁、岸田首相による連日の円安牽制も気になります。足元わずかに高まったボラティリティが継続するのか、またどの方向に向くのか見極めながら取引に臨みたいと思います。