FXレポート

トルコ金融政策の行方:高インフレと金利上昇の交差点

-前営業日サマリ-
 ドル円は154.79円でオープン。東京市場では豪CPIが予想を上振れ、豪ドル円が101円を突破し2014年以来高値を更新しました。ロンドン市場では、ドル円が155円を突破、155.16円まで上昇したのち154.70円まで急落など乱高下した値動きがありました。NY市場では、心理的節目の155円を突破したことでボラティリティが回復、155.37円まで上昇したのち、155.33円で取引を終えました。

-トルコ金融政策の行方:高インフレと金利上昇の交差点-
 本日のイベントは、トルコ政策金利、米四半期GDP速報値、米新規失業保険申請件数が予定されており、オーストラリア、ニュージーランドが休場となります。
 高金利通貨国として知られるトルコでは、2023年5月にエルドアン大統領が再選を果たし、その後の6月にエルカン氏が中央銀行総裁に就任しました。エルカン氏は、それまでの金融緩和政策を転換し、政策金利を大幅に引き上げる方向に舵を切りました。結果として、当時8.5%であった政策金利は、エルカン氏が2024年2月2日に辞任する時点で45%にまで上昇し、その後も政策は継承され、現在は50%に引き上げられています。本日の政策金利発表では据え置きが予想されていますが、インフレ率がトルコ政府のインフレ目標を上回っている状況がつづいているため、タカ派なメッセージが出てくるかもしれません。
 一方で、直近のイラン・イスラエルの軍事衝突は、トルコと地理的に近い場所で顕在化した地政学リスクであり、同じ中東に位置するトルコにとって無視できない重要な問題だと言えるでしょう。
 今回は予想通り据え置きになったとしても、高インフレ抑制のために追加利上げを示唆するメッセージが出される可能性や、中東情勢の不安定化を鑑みたハト派なメッセージが出される可能性など、トルコ中銀が今後どのような方向性で金融政策を進めていくのか注目したいです。

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