方向感を見極めたい重要局面、FRB副議長からドル反発の手掛かりはあるか
-前日サマリー-
東京市場のドル円は115.27円でスタートし、やや上値は重いながらも米早期利上げ期待などで底堅さは維持、終始落ち着きながら115円前半で推移しました。欧州市場でも動意は限定的、その後の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えてた様子見ムードも広がる中で、ドル円は115円中盤まで上値を試しました。NY市場では注目の米CPIが発表、コア指数含め前月比では予想上振れの結果となるも市場では想定の範囲内と受け止められドル売りが優勢となりました。その後も地合いの弱さが継続しドル円は節目115円を割り込むんで一時114.38円まで下落、やや戻すも114.61円で取引を終えました。
-方向感を見極めたい重要局面、FRB副議長からドル反発の手掛かりはあるか-
本日のイベントは、米新規失業保険申請件数/生産者物価指数/ブレイナードFRB理事発言(FRB副議長指名承認公聴会)/リッチモンド連銀総裁発言/シカゴ連銀総裁発言/30年債入札が予定されています。
11日のパウエルFRB議長の発言を受けて、今年3月の利上げと年内後半のバランスシート縮小は既定路線となってきた中で、昨日米CPIは市場の上振れ期待が前のめり過ぎたかドル安で反応、ドル円は心理的節目115円を割り込むも米金融引き締めに関連する過度な警戒感は落ち着いてきた印象です。本日は、新たに就任するブレイナードFRB副議長の発言が予定されており、内容次第ではドル反発の手掛かりとなるだけに注目したいところです。同氏はFOMCメンバーの中でもハト派とされています。パウエル議長を筆頭に、各メンバーの発言などからも全体がタカ派に転じてきている中でどのような姿勢を示すのか、仮にタカ派的なスタンスが確認できればインパクトもひとしおと言えそうです。この場合、市場の早期利上げ期待の高まりなどからドル高といったシナリオは想定されますが、同時にリスクオフの円高圧力がドル高以上に強まってドル円については方向感が出にくい展開も考慮しておきたいです。株や金利相場などマーケット全体の動向を眺めながらの神経質な値動きは当面続きそうです。