景気面から金利見通しへのヒントを探れるか、英GDPに注目
-前日サマリー-
前日に113円台を割り込んだドル円は112.88円でスタートし、節目回復を目指す動きも見られましたが届かず、東京市場は小幅なレンジ相場に終始しました。欧州市場に入ると一転しドル買い優勢の展開となる中、ドル円は揉み合いを上抜けて早々に113円を回復しました。米10年債利回りの上昇も寄与し、上昇一辺倒で上値を試しました。NY市場では注目の米CPIが発表され、CPIコア指数も含めて予想を上回る強い結果となりました。これを受けてインフレ加速、長期化懸念が高まったことでドル買いが更に加速しました。米10年債利回りの上昇もここに加わり、ドル円は一時114円台に乗せる動きとなりました。その後はやや下押ししたものの113.73円付近で踏みとどまり、113.89円で取引を終えました。
-景気面から金利見通しへのヒントを探れるか、英GDPに注目-
本日のイベントは、豪)失業率/新規雇用者数、英)GDP/第3四半期GDP(速報値)、メキシコ中銀政策金利が予定されており、米国、カナダ、ポーランドが祝日休場となっています。
先週4日の金融政策委員会で英中銀(BOE)は金利の据え置き(0.10%)を決定、その後のベイリー総裁のハト派的な発言も影響し直後はポンド売りが優勢となりました。5日には、MPCメンバーの中ではハト派スタンスが強めのテンレロイ委員から「英経済、国内総生産(GDP)がパンデミック前の水準を下回っており、インフレ高進への早急な対応は控えるべき」との発言が伝わりました。その点、依然として同国の利上げ期待は高いものの今後の見通しを探る上ではインフレ目標と実体経済の目標とのバランスを見極めていく必要があるだけに、本日の英GDP/四半期GDPの結果には注目したいところです。
また、日本時間深夜にはメキシコ中銀政策金利発表が控えています。同中銀は前回9月の会合まで3会合連続で利上げを実施しており、今回も市場コンセンサスは0.25%金利引き上げ(4.75%→5.00%)となっています。加えて予想以上の上振れとなった9日発表のメキシコCPIではインフレ圧力の高まりが確認されたことで、今回の利上げ予測を一層強めるとともに、今後の利上げ期待にも追い風となりそうです。米国祝日、材料は乏しいながらも各指標から目が離せません。