ハト派色の強い日銀・ECBに注目
-前日サマリー-
東京市場のドル円は114.12円でスタート、翌日に日銀・ECBの政策決定会合と米GDP発表を控えた持ち高整理の動きが意識され、昨日の上昇から一転ドル円は一時113.94円へ下落しました。欧州市場では、原油価格1.5%程度下落・ビットコイン4%程度下落などリスク資産の下落が目立ち、リスク回避的な流れからドル円は一時113.54円へ一段安の動きとなりました。ニューヨーク市場では、原油価格の一段安とNYダウが前日比マイナスとなったことが嫌気されドル円は日通し安値の113.39円まで円高へ、また資産購入終了と利上げ時期見通しを前倒ししたカナダドルが急上昇する動きを挟み、ドル円はその後下げ幅を縮小しながら113.83円で取引を終えました。
-ハト派色の強い日銀・ECBに注目-
本日のイベントは、日銀政策決定会合(政策金利・展望レポート)、黒田日銀総裁会見、ECB政策金利・声明、独消費者物価指数、ラガルドECB総裁会見、米GDP、米PCEデフレーター、米個人消費、米新規失業保険申請件数、米中古住宅販売保留、米7年債入札、複数の米IT大手決算発表が予定されています。特に、日銀政策決定会合・ECB声明・米GDPは重要度が高いです。
日銀政策決定会合は、日銀のハト派スタンスを再確認する形の可能性が高いです。事前予想では「金融緩和継続」「展望レポート(日銀が3か月に一度発表する経済見通し)は経済成長率・物価見通しともに下方修正」となっています。また、黒田日銀総裁の会見で「新政権と日銀の連携」について言及する可能性があります。週末に衆議院選挙を控えて、選挙後の日本政府の政策ポリシーに不透明感がある時期のため、新政権の政策実行性を金融市場の側面から確認する意味でも注目です。
ECBの政策決定会合は、早期利上げ観測を否定する展開の可能性が高いです。足元のインフレ急加速を受けて各国中銀は金融引締めに動こうとしていますが、ECBも金融引締めに動くだろうと市場では考えられています。高いインフレ率がユーロ圏の経済に悪影響を与えるという旨の要人発言も多数出ていることも一因です。しかし、ECBのフォワードガイダンス(金融政策見通し)は金融緩和を続けるというものです。ラガルドECB総裁の会見では、市場の利上げ観測を否定する可能性があり、火消しのためにこれまで以上にハト派なメッセージを出すことがあれば警戒が必要です。
主要国の中でもハト派色が強い日銀とECBの政策決定会合がどのようなものになるのか注目して、取引に挑みたいです。