テーパリングを巡る見方に変化はあるか、米雇用統計に注目
-前日サマリー-
東京市場のドル円は111.40円でスタートすると底型く推移、日経平均株価が一時大幅高となると前日NY市場からのリスクマインドの改善を更に後押しする形で円売りが優勢となりました。ロンドン市場に入ると、エネルギー価格や時間外の米10年債利回りの低下などからドル売り円買いが加速、ドル円は111.23円まで下落した他、その下押しに連れてクロス円も終始さえない動きを見せました。NY市場では、そこまで軟調だった原油・天然ガス先物が下げ幅を縮める展開の中、21時半に発表された米新規失業保険申請件数が予想上振れとなったことも好感され、ドル円はじり高で推移しました。その後も米10年債利回りが堅調、米債務上限問題を巡る懸念後退なども支えに111.64円まで上値を伸ばし、111.63円で取引を終えました。
-テーパリングを巡る見方に変化はあるか、米雇用統計に注目-
本日のイベントは、豪)RBA四半期金融政策報告、中)財新サービス業PMI、欧)ラガルドECB総裁発言、加)失業率、米)雇用統計が予定されています。
本日は今週のメインイベントである米雇用統計に注目が集まります。前回8月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が75.0万人程度の市場予測を大きく下回る23.5万人増という結果でした。予想下振れかつ大幅に乖離したことで市場はドル安で反応、直後は荒れた値動きも見られたことから本日も警戒したいところです。今回、非農業部門雇用者数については50.0万人程度の増加が市場コンセンサスとなる中、今週発表されたADP雇用統計や失業保険申請件数といった雇用関連指標が比較的強い結果となっています。これにより米雇用統計も良好な数字が示されるだろうとの期待が高まっており、予想上振れからドルがポジティブな反応を見せる展開も十分想定されそうです。11月からのテーパリング開始がある程度織り込まれる中、見通しを巡る見方に変化はみられるか、結果と市場の反応に注目となります。