FOMC目前、当日まで思惑はくすぶるか
-前日サマリー-
先週の為替市場は10日NY市場のややドル優勢の流れを引継ぎ、ドル円は109.88円でスタートしました。迫る9月FOMCが意識される中、先週からはブラックアウト期間に突入していることもあって発表予定の8月米消費者物価指数(CPI)他、米指標の内容に注目が集まりました。その米CPI結果がコア指数を含め予想を下回る鈍化となったことで、ドル円は一時20銭近い急落となるなどドル売りへと流れが傾きました。また、日経平均や欧米株式相場の軟調な展開を受けてリスクオフの円買いが全面に押し出される場面もあり、ドル円は109.11円とおよそ1か月ぶりの安値水準まで下落しました。ただ、後半にはこちらも注目の米小売売上高が発表され、予想を大幅に上回る強い内容となると全般ドル買いが先行、ドルの風向きにもやや変化が出た印象です。その後は米10年債利回りの上昇などを支えにドル円は一時110円台を回復、109.97円で取引を終えました。
-FOMC目前、当日まで思惑はくすぶるか-
本日は目立った材料・指標発表は特段ありませんが、本邦及び中国が祝日休場となります。
足元では、先述の米CPIの結果から米国インフレのピークアウト感が広がったことで、市場における早期テーパリング観測の後退が意識される結果となりました。このことから、先日の米雇用統計の結果も踏まえて、パウエルFRB議長が8月ジャクソンホール会議にて年内の資産購入ペース縮小開始の可能性を示唆したものの、少なくとも今週FOMCでの縮小開始のアナウンスはないのではとの見方が多くなっています。ただ、先週後半は小売売上高をはじめしっかりとした指標結果が出ており、雇用との関連性が高い個人消費の落ち込み懸念が後退した点は大きな安心材料といえそうです。FRB慎重姿勢維持の見方を覆す結果もあるか、当日まで思惑による値動きを警戒しながら取引に臨みたいです。
一方で、先週は中国当局のネット監督管理強化や中国恒大集団の債務問題などを警戒した動きから、リスクオフの展開が強まる場面もみられました。突発的なヘッドラインに警戒しながら、株式相場の動きなどを踏まえた市場のリスクマインドの動向も意識したいところです。