注目は英消費者物価指数
-前日サマリー-
東京市場では、前半からドル円が110円台に乗せて底堅く推移するなど、ややドル買い優勢の地合いとなりました。もっとも、NY時間の米CPI発表を睨んだ展開の中で積極的な動きは見られず、110円付近での狭いレンジ取引に終始、後半に豪RBA総裁のハト派的な発言が伝わると豪ドル主導の展開となりました。欧州時間からは全般に欧州通貨が強含んだ影響でドル売り圧力が先行、ドル円は下押しする格好となりましたが、その後買戻しの動きに転じたことで、前日高値水準となる110.15円まで上値を試しました。NY時間には注目の8月米消費者物価指数(CPI)が発表となるも、結果がコア指数を含め市場予想を下回ったことを受けてドル円は109.94円付近まで20銭近い急落となりました。米10年債利回りの低下も重しにドル売りが優勢となる中、米CPI発表から買いが先行していた米株相場が一転して軟調となったことで株安を嫌気したリスクオフの円買いが加速、ドル円はじり安に109.52円まで日通し安値を更新しました。その後、引けにかけては下げ渋り、109.67円まで戻したところで取引を終えました。
-注目は英消費者物価指数-
本日のイベントは、中小売売上高/鉱工業生産、英消費者物価指数、加消費者物価指数、米NY連銀製造業景気指数、米鉱工業生産が予定されています。
イベント豊富な一日ながら、特に英消費者物価指数の結果に注目したいです。昨日のポンド相場は、NY時間こそ米国株安に伴ったリスクオフの展開に押されたものの、ロンドン市場までは堅調な推移でした。15時に発表された英雇用指標が強い内容であったことが下支えとみられますが、市場では本日の英消費者物価指数が前回から一段の上昇見込みであることがポンド買いを誘発したとの声も聞かれます。強い内容が織り込まれ、結果上振れに対する思惑も観測されていることから、内容次第では大きく動意づく展開も考えられそうです。
一方で、昨日発表の米CPIがコンセンサスを下回る鈍化となったことで、市場における米国インフレのピークアウト感が広がっています。先日の米雇用統計の結果も踏まえると、足元のテーパリング観測の後退がより強まっている格好ですが、来週FOMCまではドル相場を取り巻くさまざまな思惑を見極めたいところです。