ドル円の展望
-前日のサマリー-
東京市場では109.84円でスタート。この日は日経平均株価が約5か月ぶりとなる3万円台を回復しましたが、為替市場が株高の動きを織り込んでいたこともあり反応は限定的でした。ロンドン市場になると、時間外の米10年債利回りが上昇した事を背景にドル円は109.96まで上値を伸ばしましたが、節目となる110.00円には届かず上値の重い展開が続きました。ニューヨーク時間になっても米長期金利の上昇の流れをうけ、ドル円買いが先行しニューヨーク時間を通し110.27円まで上昇しました。その後も上昇を続けこの日は、110.292円で取引を終えました。
-ドル円の展望-
昨日のオーストラリアに続きカナダが本日23時に政策金利を発表します。現時点で据え置きの予想ですが、発表直後は据え置きでも上下に動くことが考えられます。またこの日は要人発言も多く、24時にはイギリス中銀のベイリー総裁、午前2時10分にはウィリアムズNY連銀総裁、翌朝7時にはカプラン連銀総裁が連続して発言があります。ドル円の今後の展望としては、国の雇用情勢の改善傾向が高まった場合や、FRBによる年内のテーパリング開始観測が強くなった場合、これらがドル円の買い材料として作用することが考えられます。一方でドルの売り材料としては新型コロナウイルスのデルタ株の感染再拡大への警戒感が強まった場合や、米中対立が表面化してきた局面、またアフガニスタン情勢を巡る地政学リスクも引き続き無視できないので警戒が必要であると考えられます。