FXレポート

不透明感広がるRBNZ政策金利、結果と市場の反応やいかに

-前日サマリー-
 週明けからリスクオフ相場へと大きく傾く中、前日の東京市場でも円買い優勢の展開となりました。足元での米景況感の悪化やアフガニスタン情勢の動向によるドル売りも見受けられ、ドル円は109.20円から109.35円内での値動きに終始、クロス円を含め上値の重い展開となりました。午前にはRBA議事要旨が公表され、「最近の新型コロナウイルスの感染拡大により、回復は中断」、「テーパリングを遅らせるケースを検討」とのネガティブな内容が伝わりました。景気回復停滞が懸念されたことで直後から豪ドル売りが強まり、豪ドル円は80.03円から79.77円付近まで下落した他、対NZドルでは一時1.0418NZドルまで売られ年初来安値を更新しました。ロンドン市場に入ると、ニュージーランド全土でのロックダウン措置発表をきっかけとした円高圧力がクロス円を中心に拡大、欧州株やダウ先物相場でも売り先行となる中、リスク回避の動きに押されドル円は109.11円まで下落しました。NY市場では、注目の7月米小売売上高が発表され、自動車らを除くコアも含め前月比では予測を上回る鈍化となりました。ただ、発表後に米10年債利回りが持ち直した影響から全般ドル買いで反応、その後はパウエル議長の発言を前に調整のドル買いも観測されるなど、ドル円は109.65円まで日通し高値を更新、3営業日ぶりの反発で取引を終えました。そのパウエル議長発言ですが、デルタ株による影響の不透明感を指摘し、「現在の危機は終わっていない。勝利を宣言することはできない」と慎重な姿勢を示しましたが特段金融政策への言及はなく、市場の反応は限定的でした。

-不透明感広がるRBNZ政策金利、結果と市場の反応やいかに-
 本日のイベントは、RBNZ政策金利/オアRBNZ総裁発言、英消費者物価指数、加消費者物価指数、米住宅着工件数、米FOMC議事録公表(7月27-28日開催分)が予定されています。
 特に注目はRBNZ政策金利発表で、市場予測は0.50%(0.25%金利引き上げ)となっています。しかしながら、前日東京時間にニュージーランド最大の都市オークランドでの新型コロナウイルス感染確認が報じられ、アーダーンNZ首相の「全国で3日間の都市封鎖(ロックダウン)を実施する」との発言が伝わりました。これを受けてNZドルは売りが先行、欧州市場でも一段安の展開となりましたが、これまで同国が新型コロナの感染を抑え込んでいただけに市場へのインパクトは大きいものとなりました。また、政策金利発表前日のロックダウン表明により、金融政策決定への影響も懸念されるなど先行き不透明感が一気に強まった格好です。加えて、オセアニア大手のウエアストパック銀行が「明日のRBNZでは、OCR(NZ政策金利)を引き上げないだろう」との予想を発表しており、不透明感に拍車をかけています。あくまでも市場では金利引き上げ予想が大半であることから、金利据え置きの結果となれば更に下値を広げる展開も想定されますが、前日にある程度売りつくしていると市場で判断されれば、予想通り利上げであっても買いが先行、反発といったポジティブなシナリオも考えられそうなだけに結果に注目となります。
 一方で、日本時間27時には米FOMC議事要旨の公表も予定されています。昨日パウエル議長の口からは市場が期待する内容は語られませんでしたが、テーパリングに関連する市場の様々な見方が今回の議事録で整理されるのではとの期待もあり、公表内容に注目したいです。

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