今週はインフレ情勢が焦点か
-前日サマリー-
東京市場では、前日までのドル高基調の流れを継続しドル円は底堅い推移を見せた一方で、110.30円前後10銭程度のレンジ相場に終始し値幅は限定的でした。欧州市場でもドル高の流れは変わらず、昨日大きく下落した原油先物の反発などに伴ったリスクオフムードの後退による円安圧力もここに加わりました。ドル円はその後も米10年債利回りの上昇に伴った買いに支えられ110.55円付近まで上値を試す展開となりました。一方で、18時発表の独ZEW景況感調査の結果が市場予想を大きく下回ったことがユーロの重しとなり、直後ユーロドルは1.1732から1.1722ドルまで反落、前日からさらに安値を広げました。NY市場では米10年債利回りが一時1.35%まで上昇、促されるようにドル円も110.59円まで上値を伸ばし、7月14日以来の高値更新となりました。その後、NY午後にはやや伸び悩み110.57円で取引を終えました。
-今週はインフレ情勢が焦点か-
本日のイベントは、米消費者物価指数(CPI)、米10年債入札、米アトランタ連銀総裁発言が予定されています。市場では7月米雇用統計の改善を受けたテーパリング期待が広がりを見せ、FRBの出口戦略に向けた動きへの思惑が渦巻いています。そのような中で先週は雇用情勢が注目されたのに対し、今週はインフレ情勢に焦点を当てて市場はヒントを探りに行くと見られることから重要な局面といえます。
直近6月の米消費者物価指数(CPI)は前年比5.4%上昇で5月からは上昇加速、物価目標とする2%上昇の2倍超の高水準となっていますが、それでもパウエルFRB議長は「インフレ加速は短期的なもの、中期的には低下する」とのスタンスを取っています。今回の予測も前年比5.3%上昇と水準維持が織り込まれていますが、結果に対して市場がどのような反応を見せるのか注目したいです。FOMCメンバーのタカ派シフトへの期待に加えて予想上振れとなればドル優勢の地合いが更に強まる可能性がある反面、下振れによって出口近しの過熱感に水を差す展開も考えられそうです。