今夜の雇用統計に向けて
-前日サマリー-
東京市場でのドル円は109.48円でスタート、10時時点では109.68円まで上昇し、スタートした時点での109.48円と比べて20銭程度のドル高水準でした。安く始まった日経平均株価が持ち直したことで、投資家のリスク志向改善を見越した買いが先行し、5・10日(ゴトー日)の仲値に向けた買いも入り、昨日高値の109.67円を上抜けて一時109.69円まで値を上げました。ロンドン時間になると、買いの流れは一服し、一時109.75円まで高値を更新するも、その後は伸び悩み、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が5042人と過去最多となったことが分かると、109.50円台まで下落しました。また、米国で新規失業保険申請件数の発表があり、予想より悪い結果となりましたが、織り込まれていたのか市場の反応は限定的でした。ニューヨーク市場では景気敏感株に買いが入ったことにより米国株価指数のダウが反発で始まり、ドル円も追従するかのように109.75円まで上昇しました。その後は109.70円付近でもみ合い、この日は109.78円で引けました。
-今夜の雇用統計に向けて-
日経平均やニューヨークダウなどの主要株価指数が前日比でプラスに転じたことや、ドル円が値段を大きく戻していることもあり、ここ数日続いていたリスクオフのムードはやや弱まったように思えます。本日は毎月のビッグイベントである雇用統計が控えています。今年4月と5月の雇用統計では、仕事に対して応募者が少ない需給の問題故に非農業部門雇用者数が伸び悩みました。原因として失業でもらえる給付金が給料より多く、国民の勤労意欲を削いでいるというのが指摘として挙がっており、ここで失業給付金の上乗せ金額の減額を実施した結果、求人サイトの閲覧数が5%上昇したそうです。今回の7月雇用統計では非農業部門雇用者数の数字が、給付金減額措置の影響をどう受けるかに注目したいところです。また、非農業部門雇用者数の数字が上振れするようであれば、金融緩和縮小への期待が強まる事も考えられます。