FRBは利上げ期待、日銀はどうするか?
-前日サマリー-
東京市場では、昨夜未明のFOMCを控えて小幅な値動きでした。欧州市場では、英消費者物価指数が予想を上回る前月比+0.6%と発表されるとポンド買いドル売りで市場は反応、ポンド円は一時155.32円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、FOMC金利政策の見通しで2023年までに2回利上げの方針を示したことが大きなサプライズとなり市場はドル買いで反応、その後パウエル議長が会見で「(経済情勢の)進展が継続すればテーパリング戦略を今後の会合で検討することは適切」と発言したことでドル買いが加速して、ドル円は今年3月高値に挑戦できる水準の110.66円まで上昇して取引を終えました。
-FRBは利上げ期待、日銀はどうするか?-
本日のイベントは、加マックレムBOC総裁発言、ニュージーランドGDP、豪ロウRBA総裁発言、豪雇用統計、ノルウェー政策金利、スイス政策金利・中銀声明、トルコ政策金利・中銀声明、米新規失業保険申請件数が予定されています。
昨日のFOMCはタカ派的なサプライズとなりました。FOMCの金利見通しについて、これまでは2023年に1回の利上げが市場予想の大勢でしたが、今回の発表では2023年までの利上げを見込むメンバーが18人中13人(前回発表では7人)2023年末までに少なくとも2回利上げを見込むメンバーが18人中7人(前回発表では4人)と、市場予想よりも早いペースでの利上げ可能性が示されました。またパウエル議長は会見でテーパリングについて「議論した」と発言しました。今後のマーケットでは、8月下旬のジャクソンホール会議までにテーパリングを予想できる材料が出てくるかどうか、今回のFOMCでハト派だったメンバーが政策スタンスを変えてくるような要人発言が出てくるかどうかといった点に関心が集まりそうです。
また、本日は日銀政策決定会合の1日目となります。今年3月の日銀政策決定会合では、1日目に「長期金利の変動幅を拡大する方針」「ETF買入れの年6兆円の目安をなくす方針」と報じられ、ドル円は40銭程度下落する動きを見せました。昨日のFOMCのタカ派的な結果を受けてほかの国の金融政策にも関心が高まっていると考えられるため、本日政策金利発表を控えるスイス、トルコ、ノルウェーの動向と合わせて、政策決定会合1日目の日銀のヘッドラインにも注目して、取引に挑みたいです。