FXレポート

米小売売上高と英失業率に注目

-前週サマリー-
 週明けのドル円は上値を追う展開となりました。東京市場では、先週大きく下げた米長期金利の反発を材料にして、109.71円でスタートしたドル円は109.82円まで上昇しました。欧州市場では、イギリスで新型コロナウイルスのインド型の流行からロックダウン緩和時期が後ずれする可能性が高いと伝わると、市場はポンド売りで反応するも他通貨への影響は限定的でした。ニューヨーク市場では、米長期金利が1.46%から一時1.50%を上回る水準まで上昇すると歩みを合わせる形で円安ドル高が進行、ドル円は一週間ぶりに110円台を回復して110.07円で取引を終えました。

-米小売売上高と英失業率に注目-
 本日のイベントは、豪RBA議事録公表(6月1日開催分)、英失業率、英ベイリーBOE総裁発言、米小売売上高、米卸売物価指数、米鉱工業生産が予定されています。
 イギリスでは、ジョンソン首相が昨日「ロックダウンの最終解除を7月19日に延期する」と発表した一方で、「イギリスの経済回復が雇用を大幅に上昇させる可能性がある」と英紙で報じられたこともあり、足元のポンドは強弱入り混じる展開となっています。本日発表される5月の英失業率は、昨日のポンド買い材料の答え合わせの観点から注目しています。英失業率は2021年2月をピークに改善傾向となっていますが、イギリスの雇用が市場予想ほど改善していない場合、ポンドに対するネガティブサプライズが市場で強く意識される可能性がありそうです。
 米小売売上高は、16日に結果が出てくるFOMC直前の重要経済指標となります。先月発表された4月小売売上高は、前月比ベースで予想+1.0%に対して結果+0.0%と市場予想未達の結果でしたが、FRBの金融緩和縮小の懸念が後退するだろうとの思惑も重なり、ドル円は強弱入り混じりながら約20銭の幅を乱高下する動きを見せました。本日発表の5月小売売上高予想値は前月比-0.7%とやや弱気ですが、FOMC結果発表前日というスケジュールから、良好な結果ならばFOMCのテーパリング議論開始の期待高まり、悪ければ金融緩和継続への思惑が強まることが考えられます。FOMCへの市場の反応を占う意味でも、今夜の小売売上高の結果と市場の反応を丁寧に確認しながら取引に挑みたいです。

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