FOMCに向けて思惑はくすぶるか
-先週サマリー-
先週末のドル円は、前日までの雇用関連指標の好結果等を支えにオープンからドル高基調で推移し、NY時間までは高値圏での揉み合いとなりました。その後、米雇用統計が発表されると、非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったこと等を受けドル売り優勢となり、米長期金利の低下も影響し、前日安値の109.53円を下抜けて一時109.36円まで下落しました。
その間、5月雇用統計結果を受けたバイデン大統領の会見も行われ、雇用回復や政策成果が強調される内容でしたが、市場の反応は限定的でした。
-雇用統計が通過し-
前哨戦ともいえるADP雇用統計を好調な結果で通過し、一定の期待を織り込んだ5月雇用統計でしたが、4月に続いて非農業部門雇用者数が予想を下回ったことで市場はネガティブに反応しました。ですが、失業率が予想を上回る改善を見せ、平均時給も良好な結果であったことから、バイデン大統領の景気回復アピールにも頷けます。
一方、市場では米雇用は着実に回復しているものの、FRBが量的緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められたとの声が聞かれ、今月FOMCにおける出口戦略観測に対する期待の後退に繋がりそうです。ただ依然としてさまざまな思惑がくすぶっており、FOMCまでは方向感のない展開をケアしながら取引に臨みたいです。