日米首脳会談の相場への影響
-前日サマリー-
東京市場では、米長期金利の頭打ちが意識されてドル円は108.85円近辺を推移する小幅な値動きとなりました。欧州市場では、米政府が米金融機関を対象に新発ロシア債の購入を6月中旬から禁止すると報じられたことで市場ではリスクオフムードが強まり、ドル円は一時108.70円近辺まで下落しました。その後発表された、米小売売上高と米新規失業保険申請件数が市場予想よりも良好な結果となったことでドルが買われる展開となり、ドル円は108.87円まで上昇しました。NY市場では、米露関係の悪化が意識され米10年債利回りは3月上旬の水準まで低下、ドル円も下値を切り下げる動きの中で108.72円で取引を終えました。
-日米首脳会談の相場への影響-
本日は中国国内総生産(GDP)、米住宅着工件数、米ミシガン大消費者信頼感指数、日米首脳会談、モルガンスタンレー決算発表が予定されています。特に注目すべきイベントは日本時間深夜に予定されている日米首脳会談です。バイデン大統領が対面で首脳と会談するのは今回の菅首相が初めてで、中国をめぐる課題、新型コロナ対策、気候変動などについて話し合われる予定です。ホワイトハウスは昨日「日米首脳会談では、中国についてが最優先トピックとなる」との考えを示しました。昨日の米国の対露追加金融制裁についての報道を受けて米長期金利は低下し、ドル円は上値の重い展開となりました。日米首脳会談の中で、中国をめぐる課題の内容が嫌気される場合には、再び長期金利の低下からドル円は下値を切り下げる動きとなりそうです。