米中の新たな対立はひとまず回避
-前日サマリー-
週明けのドル円は109.70円近辺でスタート、朝方パウエルFRB議長がテレビ番組で「年内利上げの可能性は極めて低い」との認識を示すも反応は限定的でした。11日にブリンケン米国務長官が、中国の台湾政策に対して懸念を表明したと伝わると、米中対立の激化が意識されたリスク回避の動きからドル円は109.50円近辺まで下落しました。欧州市場では、主要国の株価指数が総じて下落したことを受けリスク回避的な動きからドル円は一時109.25円まで円高が進行しました。一方、本日からロックダウンが緩和されるイギリスのポンドは、経済再開の期待から一段高となりました。NY市場がオープン後はリスクオンの流れとなったほか、米3年債と米10年債入札はそれぞれ無難な結果となり、ドル円はもみ合いの動きのまま109.38円で取引を終えました。
-米中の新たな対立はひとまず回避-
本日は中国貿易収支、英国内総生産(GDP)、独ZEW景況感調査、米消費者物価指数(CPI)、米30年債入札が予定されています。12日の朝方、中国の台湾政策に対して米国が懸念の考えを示したと伝わり米中対立激化が意識され株式市場は下落、為替市場はリスク回避的に円高が進みました。しかし、13日早朝にイエレン米財務長官は就任後初の為替報告書で「中国を為替操作国に認定しない方針」と一部で報道され、米中の新たな対立は避けられる見通しとなりました。米中対立激化を連想させるヘッドラインがなく緩やかに相場が動くようであれば、本日特に注目すべきイベントは米消費者物価指数(CPI)と考えられます。今回発表される3月分は、前月比+0.5%(前回:+0.4%)、前年同期比+2.5%(前回:+1.7%)と好調な結果が予想されています。足元の米中対立の懸念と、水曜日から本格化する米大手企業の決算発表を前に様子見の相場が予想される中で、好調な結果となればマーケットの安心感が増しそうです。政治がらみのヘッドラインに注意しながら、米消費者物価指数(CPI)の結果に注目しながら、本日は取引に挑みたいです。