重要指標と要人発言に注目
-前日サマリー-
東京市場は日経平均株価やダウ先物の下落をきっかけにリスクオフとなりドル円は108.70円付近まで緩やかに軟化しました。欧州市場に入ると米長期金利の低下で円高が優勢となり、ドル円は一時108.40円まで下落。NY市場ではパウエルFRB議長とイエレン財務長官がそろって公聴会に出席し証言したものの、注目されていたSLR終了に伴う新たな変更点についての発言がなく、ドル高の流れが継続しユーロドルは1.1842ドルまで下落し取引を終えました。
-重要指標と要人発言に注目-
本日のイベントはBOJ議事要旨公表、英消費者物価指数、仏独欧英米製造業サービス業PMI(速報値)、米耐久財受注、パウエルFRB議長とイエレン財務長官の公聴会証言、米週間原油在庫、ラガルドECB総裁の発言、米5年債入札と複数の取引材料が控えています。本日も引き続き公聴会の証言が予定されておりパウエルFRB議長とイエレン財務長官の発言には警戒が必要です。昨日、パウエルFRB議長は「SLRの免除が市場にどのような影響を与えるかを言うのは難しい」と述べ、緩和措置終了に伴う新たな変更点があっても、市場が噂している2000億ドル規模の米国債売りが発生する可能性が高いかもしれません。その場合、米長期債の利回りが上昇し企業への収益悪化から株安、債券安、ドル安のトリプル安に陥るため、米長期債の動向には警戒を払いたいです。また、本日の米経済指標では製造業、サービス業PMIの速報値と米5年債入札が控えています。PMIは景気先行指数になっており経済が上向きかが確認できます。一方で、米5年債入札は入札が順調なら金利低下要因となり入札が不調なら金利上昇要因となるため、注意が必要です。なお、イエレン財務長官は「税制について企業を傷つける政策を提案しない」と述べ、税制変更による警戒感が後退したことで株高要因になっています。
その他ではバイデン大統領は3月25日(木)にEU首脳と米EU協力について話し合う予定が発表されました。会談内容は米国とEUの関係を活性化、パンデミック対応、気候変動、貿易と投資の関係強化、中国やロシアを含む共通の外交政策上の利益についてと多岐に渡っています。注目は貿易と中国への対応になるとみてます。貿易はトランプ大統領の保護主義により関係が硬化したため関係修復がなされるか、また立場の相違の大きい中国への対応についてウイグル地区で行動が一致するかなど、リスク許容度が大きく揺れ動くイベントになりそうです。