米長期金利の動向は
-前日サマリー-
昨日の為替市場は米長期金利の上昇を背景にドル円は104.30円付近を堅調に推移しました。ただ、金利が一時1.18%台と昨年3月以来の高い水準まで上昇するとドル売りが優勢となりユーロドルは1.2206ドルまで上昇しドル円は103.74円まで下落して取引を終えました。
-米長期金利の動向は-
本日のイベントはラガルドECB総裁の発言、米消費者物価指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が予定されています。米長期金利の上昇を背景にドル買いが勢いづいていたものの、昨日の金利低下を受けて買いが一服しています。米長期金利の上昇はバイデン次期政権での新型コロナ対策の給付金や財政拡大観測に加え、物価が将来上昇に向かうとの見方から選好されています。ただ、昨日は金利が昨年3月のコロナ相場でバウンドした時の高値水準まで上昇し一旦調整が入ったと考えられます。今後は新型コロナの支援策とワクチン普及による景気回復と捉えるか、景気回復の遅れが囁かれたり変異種出現の懸念による綱引きになると考えます。現状では支援策とワクチン普及による景気回復期待のほうが優勢と考えられ再び金利上昇でドル高になるシナリオとみていますが、景気回復の鈍化やワクチンの普及の遅れ、変異種の脅威などにさらされた場合は、一転してシナリオが反転するとみてます。ただ、取引シーンで考えるとシナリオとしてはシンプルな二択になるため、落ち着いてトレードができる環境であるともいえます。米長期金利が上昇でドル高、米長期金利の低下でドル安というように米長期金利と米ドルは順相関の傾向があるため、トレードとしては精神的に楽に行えるのではないでしょうか。ただ、明日14日にバイデン次期大統領の支援策の発表とパウエルFRB議長の発言が控えており、本日はやや動き難くなるかもしれません。
ドル円のテクニカル面を見てみましょう。日足の一目均衡表を確認すると104.32円から50円にある雲が上値抵抗線になっており、この水準では上値の重い展開になりそうです。一方で、下値ではサポートになりそうなラインが見当たらないため、ドル円は上昇局面では売りを丁寧に行うのがよさそうです。