ECB理事会が打ち出す緩和パッケージ、その中身とは
【本日のトレードポイント】
昨日は米中貿易摩擦に関して中国側の譲歩によりリスクオン。ドル円では3日連続陽線とドル高が進行しています。ただ各通貨ともに今週来週に控える主要各国金融政策イベント待ちといった面もあり、値動きは限定的となっています。
本日はECB理事会が予定されています。今回の理事会では①政策金利の引き下げ②資産の買入の2つからなる金融緩和パッケージが予想されています。
①の政策金利引き下げでは、3つあるEUの政策金利のうち、中銀預金金利(預金ファシリティ金利)が対象となっています。現在の-0.4%から-0.5(~0.6)%に引き下げることが予想されており、利下げ幅は0.1(~0.2)%でおよそ3年半ぶりの利下げです。マイナス金利の対象となる預金を限定するなど利下げによる副作用を防ぐ階層的な政策が同時に導入されるのではないかと予想されています。
②資産の買入は、12月末に終了した資産購入プログラムの再開が一部では予想されています。マーケットのコンセンサスでは再開されるかされないか7:3ほどで割れており、最も注目が集まる点でもあります。ただ、昨年行われていたような大規模な資産の買入は法的ハードルが高く、今回は小規模なものに限定されると思われます。
今回の緩和では、外需の景況悪化を相殺し得るだけの内需に対する刺激を行う必要があり、コンセンサスを上回るサプライズには注意したいです。
合わせてドラギ総裁会見やフォワードガイダンス、理事会スタッフによる経済見通しなどにも要注目です。
また、本日は米消費者物価指数の発表も予定されています。中国による対米関税の影響もあり、前月比+0.2%の増加が予想されています。こちらも来週のFOMC会合に向けて重要な材料となるため要注目です。