ECBフォーラム開催、ISM製造業景況指数にも注目
-前営業日サマリー-
ドル円は144.40円でオープン。東京市場では、仲値にかけてドル買いが強まり一時144.76円付近まで値を上げました。買いが一巡後にドル売り地合いとなり144円を割り込みました。ロンドン市場では、ロンドン・フィキシングに向けたドル買いが継続し、144.50円手前まで持ち直しました。NY市場では、一時4.27%台へ持ち直した米10年債利回りが4.23%台まで低下する流れもあり、143.99円で取引を終えました。
-ECBフォーラム開催、ISM製造業景況指数にも注目-
本日のイベントは本邦第2四半期日銀短観、中財新製造業PMI、欧消費者物価指数、ラガルドECB総裁発言、パウエルFRB議長発言、ベイリーBOE総裁発言、植田日銀総裁発言、米ISM製造業景況指数、米雇用動態調査(JOLTS)求人件数などが予定されており、注目する材料が多い1日となります。
ECBフォーラムはポルトガルで開催され、ラガルドECB総裁、パウエルFRB議長、ベイリーBOE総裁、植田日銀総裁など中銀総裁がパネル討論会に参加します。パネル討論会では金融政策について公に意見交換され、トランプ大統領の関税措置に伴う貿易摩擦や、不安定な中東情勢にどう対処すべきかが討論会の大きな議題となる見通しです。パウエルFRB議長は6月24日の下院金融サービス委員会で行った証言で、「利下げを検討する前に関税の引き上げで物価が押し上げられるか見極めるため、一段の時間が必要」との見解を示しましたが、インフレが予想を下回る、あるいは労働市場が悪化した場合は、利下げに踏み切る可能性もあるとも説明しており、本討論会でも発言に注意を払いたいです。
また、ISM製造業景況指数の発表が予定されています。前回は48.5と景気拡大・縮小の境目である50を下回っており、製造業の縮小が続いています。今回(6月)は境目の50を上回るかどうかが焦点です。上回れば、製造業回復のシグナルとして市場が反応する可能性があり、逆に弱い結果となれば利下げ観測が高まる可能性があるので、注意して取引に臨みたいです。