米年内利上げの有無、雇用統計カギを握る
-前営業日サマリー-
ドル円は150.89円でオープン。東京市場では、米長期金利が低下に転じたことを受けたドル売りが継続し一時150.15円まで下落するとショートカバーが強まり反発。ロンドン市場では東京市場で付けた安値で下げ渋るも上値の重い動き。その後、新規失業保険申請件数が予想を上回る結果となると、労働市場の悪化を嫌気したドル売りが進行し一時149.84円まで下落。NY市場では、ドル売りが一巡し徐々に下値を切り上げる展開。特段目立った材料もなく落ち着いた動きを見せ、最終的に150.45円で取引を終えました。
-米年内利上げの有無、雇用統計カギを握る-
本日のイベントは、中財新サービス業PMI、トルコ消費者物価指数(CPI)、加雇用統計、米雇用統計/ISM非製造業景況指数、バーFRB副議長発言が予定されており、中でも米雇用統計に注目です。
先日の10月FOMCでは政策金利が据え置かれ、年内の追加利上げについては米長期国債利回りの上昇が追加利上げの必要性を低減させる可能性が示された一方、パウエルFRB議長はインフレ抑制に向け追加利上げの選択肢も残しており、依然として政策の判断は今後のデータ次第とするスタンスが伺えます。
そんな中迎える本日の米雇用統計は12月FOMCでの利上げ有無のカギを握ります。前回の米9月雇用統計では『非農業部門雇用者数』が+33.6万人と市場予想(+17.0万人)を大きく上回ったことで労働市場の強さを改めて示す形となりましたが、今回の米10月雇用統計については、市場は雇用の過熱感低下の予想としており、予想通りの場合は追加利上げの観測が後退、ドル売りが進行のシナリオを想定します。予想に反して、再び労働市場の強さが示されれば市場はドル買いで反応することも考えられますが、足元のドル円は150円近辺の高値圏で推移しており、上昇するほど政府・日銀の介入警戒感も強まることから下振れのリスクも考慮して、目先はドル売りの方向を想定して取引に臨みたいです。