相場全体リスクオフのムード
-前営業日サマリー-
ドル円は、144.03円でオープン。東京市場では、軟調な地合いでスタートしじりじりと下落。144円の大台を大きく割り込み143.20円付近まで下値を広げました。ロンドン市場では依然軟調な地合いが継続。道中で米トランプ大統領が「EUに対し、50%の関税を課すことを推奨」「米国製のiPhoneでなければApple社に25%関税課す」と発言したことで、時間外のApple株が一時4%下落。前記の要因で円買いが一層加速する形となり、ドル円は急落。143円の大台をも割り込んで142円半ば付近まで下落し日通し安値を更新しました。NY市場では、軟調な推移のまま上値の重たい動きが継続。そのまま値を戻すことなく142.52円で取引を終えました。
-相場全体リスクオフのムード-
来週はニュージーランドや南アフリカなどで政策金利発表、米国ではPCEデフレーターの発表が控えています。注目となるPCEデフレーターはコアと共にやや鈍化の予想(前年比)。予想通り鈍化の結果であれば大きなインパクトにはならないかもしれませんが、予想を大きく上振れるような結果となった場合は、ドル買いに圧力にさらされる可能性は視野に入れておきたいです。
足元のマーケットは、前記したトランプ大統領によるEUとApple社への関税関連のヘッドラインが流れてから、時間外の日経平均株価は1%超、米株3指数も軒並み下落したほか、VIX指数は11%近く上昇、下落続きだったNY金も上昇に転じているため相場全体にリスクオフの空気が広がりつつあります。これらの要因に伴い外国為替でもクロス円の通貨ペアは上値が一層重たくなり売り圧力を警戒するようなムードが広がりつつあります。また、本日は米国が休場であるため、市場の流動性の低さから、突発的なヘッドラインが流れてきた場合の相場へのインパクトは通常よりも大きくなる可能性も捨てきれません。以上のことを警戒しつつ今週も取引に臨みたいです。