ドル円150円突破後に急落。為替介入いよいよか
-前営業日サマリー-
ドル円は、149.76円でオープン。東京市場では心理的な節目150円を前に、押し目買い意欲が高まる中で底堅く推移し149.93円まで年初来高値を更新しました。しかしながらロンドン市場では日本政府・日銀の為替介入への警戒感からか円買いが優勢となり149.65円まで売り戻される展開。NY市場では、米JOLTS求人件数が予想を上回ったことが伝わるとドル買いが先行し150.16円と再び年初来高値を更新。その後すぐに147.43円までの急落したものの149円台まで持ち直すなど荒い値動きを見せましたが、最終的には148.98円で取引を終えました。
-ドル円150円突破後に急落。為替介入いよいよか-
本日のイベントは、ニュージーランドRBNZ政策金利、ラガルドECB総裁発言、欧小売売上高、卸売物価指数(PPI)、米ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、ボウマンFRB理事発言、グールズビー・シカゴ連銀総裁発言が予定されています。
昨日のNY市場ではドル円が150円の大台を突破した直後に147円台半ばまで急落する場面が見られ、市場では為替介入の観測が広まりましたが、財務省幹部は為替介入についてはノーコメントとしました。一部では、為替介入は行われていないとの見方もあり市場の中で意見が割れています。実際に昨年の為替介入を振り返ると、円安抑制を目的に9月下旬から10月下旬にかけて計3回の介入が実施されましたが、いずれもドル円は4円から5円幅での円高の動きとなっており、昨日のドル円の動きはやや弱いとも受け取れます。為替介入の警戒感が高まる中、本日は政府・日銀関係者から昨日の円相場に関する内容の発言が伝わるかに注目が集まりそうです。
一方で本日発表予定の米ADP雇用統計は、マーケットへの影響が大きい米雇用統計の先行指標として注目度の高い指標です。今回は非農業部門の雇用者数が前回の17.7万人から15.3万人へと減少との予想ですが、世界的に見ると足元の米労働市場は強く、仮に予想通りの内容だとしても、米労働市場のひっ迫緩和を改めて確認することとなり、市場はドル買いで反応することが推測されます。もっとも今週金曜日発表予定の米雇用統計の内容を見通すうえでの参考とし、本日は政府・日銀関係者からの発言に注意しながら取引に臨みたいです。