注目の米雇用統計
-前営業日サマリー-
ドル円は、139.29円でオープン。米下院で債務上限停止法案が可決されたことや日経平均株価が260円超上昇したことでドル円は139.94円まで上昇しました。ロンドン市場に入ると一転してドル売り基調で推移、米ADP雇用統計が予想を上振れ一時的な上昇を見せるもその後はドル売りに押されたほか、ISM製造業景況指数が予想を下振れたことでドル安が加速し138.37円まで下落するもその後すぐに反発しました。ニューヨーク市場では、方向感なく小幅なレンジで推移し、138.80円で取引を終えました。
-米雇用統計統計に注目-
本日のイベントは、米雇用統計が予定されています。
昨日のISM製造業景況指数のうち仕入れ価格指数は44.2と市場予想の52.3から大幅に下振れ、インフレ圧力の弱まりを感じさせました。また、米ADP雇用統計は市場予想を上振れるも、2023年第1四半期労働コスト指数が速報値の+6.3%から+4.2%へ下方修正されたことでドル安で推移しました。短期金融市場の利上げ確率を示したFed Watch・CMEでは、金利据え置きを7割ほど織り込んでいるものの、直近のコンセンサスはブレが大きいため本日の米雇用統計の結果次第では、再度0.25%利上げを織り込む可能性もあります。米雇用指標を振り返ると、米JOLTS求人、ADP雇用統計、ISM製造業雇用指数などが堅調なことを踏まえると、米雇用統計での雇用者数が上振れ、ドル高で反応するかもしれません。一方で、昨日の労働コスト指数の下方修正を鑑みると、平均時給の下振れからインフレ圧力の弱まりが意識されドル売りの展開も考えられます。6月FOMCの最終判断は13日の米CPIを見てからにはなると思われますが、市場のコンセンサスを方向付けるインパクトを持つ米雇用統計に要注目です。