FOMCの注目ポイント整理
-前営業日サマリー-
ドル円は137.45円でオープン。東京市場では、前日NY市場までの円売り・ドル買いの流れを引き継いで堅調に推移、序盤に前日高値を上抜けると午後には137.77円まで上昇しました。このほか、豪RBA政策金利にて、大方の予想に反して0.25%のサプライズ利上げが発表されると豪ドル買いが加速、豪ドル円は1円程度の急騰をみせたほか、クロス円の連れ高を誘いました。ロンドン市場では、ドル円は高値圏での調整売り優勢、137円序盤まで押し込まれるなど上値の重たい展開となりました。NY市場では、米JOLTS求人が予想を下振れたことでドル売りが先行、また下落スタートとなった米株相場な軟調な動きとなる中で、リスク回避の円買いも活発化しました。ドル円は一時136.31円まで下落し、その後は小幅に戻し136.55円で取引を終えました。
-FOMCの注目ポイントを整理-
本日のイベントは、NZ四半期失業率、豪小売売上高、トルコ消費者物価指数(CPI)、米ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、FOMC政策金利・パウエルFRB議長会見が予定されており、日本や中国などが休場となります。
いよいよ米FOMCです。現時点での政策金利見通しは、据え置き予想も一部あるものの、0.25%利上げ(4.75-5.00% → 5.00%-5.25%)がほぼ織り込まれています(FedWatch・CME)。今回の会合では、FRBの利上げサイクルも大詰めを迎える中で、「利上げ打ち止めはいつなのか」、「年内の利下げはあるのか」の2点が大きな焦点とみて、声明やパウエル議長の会見の内容に注目していきたいです。
3月に公表された直近のドットチャート(ボードメンバーの政策金利見通し)を確認すると、政策金利の2023年末時点の中央値は5.00%-5.25%の水準が示されています。また、パウエル議長をはじめFRBメンバーは2023年中の利下げを否定しており、今回大勢通り0.25%の利上げとなれば、最終着地点であるターミナルレートに到達することになり、それに沿い市場でも「今回が最後の利上げ」予想が優勢となっています。ただ、ここは「今後のデータ次第」と追加利上げを含め、柔軟なスタンスを示す可能性は高そうです。そして他方の、年内利下げに関しては、市場は9月~12月にかけて1~3回程度の利下げを見込んでいます。FRBの意図に反して前のめりな織り込み状況が続いており、修正を促すようなタカ派な内容が出てくるシナリオも想定されるため、織り込みを踏まえるとドル買い材料とそのインパクトは考量しておくべきでしょう。
このほかFOMCまでにADP雇用統計やISM非製造業景況指数も控え難しい局面ながら、トレードチャンスの多い1日とみて取引に臨みたいです。