今週末の雇用統計が意識され始める
【本日のトレードポイント】
-久々のドル高-
昨日発表されたISM製造業景況指数は事前予想の54.8を上回って56という結果になりました。3か月連続で景気判断の基準となる50を上回っており、2か月連続で結果が改善しています。詳細に見ていくと雇用に関しては50を下回る弱気な判断となっていますが4か月連続の上昇となっています。また、新規受注や生産に関しては60を上回る強さを見せ、米経済の先行きに関しては非常に力強いビジョンを描けそうです。これらの結果を受けて、ドル円は105.87円から一時106.15円まで上昇しました。久々のドル買い材料にストップを巻き込んでの吹きあがりとなりました。週末に発表が予定されている雇用統計に向けてマーケットの期待は非常に高まっていると言えるでしょう。
-要人発言がキーポイント-
ドルはパウエルFRB議長の発言以来、低金利政策が長期化するとの見方がとられています。これはドル安への強烈な圧力として機能しています。昨日のブレイナードFRB理事の発言でも「経済はウイルスで相当の不確実性」であるとして「数か月以内に緩和に動くべき」とありました。低金利政策に加えて、更なる緩和政策への期待も高まっています。
ユーロは昨日のレーンECB理事の「ECBは為替レートを気にしない」としながら「しかし、ユーロドルのレートは重要問題」との発言が実質的なけん制ともとられており、ユーロ高に対して及び腰のスタンスをとらざる得ない状況です。マーケットは1.20ドルを超えてくるとECBが何らかの形で介入(けん制)してくるのではないかと予想しており一進一退の攻防となりそうです。